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Image:Fabio Mota/Shutterstock.com

アップル「Apple Watch」は、内蔵された健康関連センサーにより多くの命を救ってきた。その最新の事例として、この機器の「心臓の健康に関する通知」が、もしも放置していれば命取りになりかねない疾患を発見したことが報じられている。

米CBS Newsの報道によると、米メイン州に住む女性キム・ダーキー(Kim Durkee)さんは5月、2晩続けてApple Watchから心房細動を起こしているとの警告を受け取ったそうだ。そのとき、キムさんはApple Watchを信じていなかったという。

しかし、3日目も再び警告が出た。その数値があまりに高すぎたので不安になったキムさんは、「お前(Apple Watch)は分かってると言うんだな。だったら知り合いの緊急治療室に行って、心配することはありませんと言われたら、時計を投げてやる」と考えたそうである。

果たして診察の結果、心房細動が事実であることがわかった。そして本当の原因として、未知の活発な腫瘍が見つかったのである。

診察に当たった医師は、キムさんの心臓が単純かつ恐ろしい理由で不規則に鼓動していることをすぐに突き止めたという。心臓からの血液供給をせき止め、最終的に脳卒中を引き起こしていたであろう、急速に成長する腫瘍の粘液腫を患っていたのである。

Apple Watchが警告してくれたおかげで、キムさんは(大手病院である)マサチューセッツ総合病院に運ばれ、5時間の開胸手術の末に致命的な腫瘍を取り除けたと伝えられている。

ここで注目すべきは、キムさんにはApple Watchが捉えた心房細動以外に、何の自覚症状もなかったことだ。腫瘍は4cmにも育っており、もし発見されなければ「ほぼ確実に」死んでいたと診断されている。

キムさんは自宅で療養中で、Apple Watchが「本当に私の命を救ってくれた」と語っている。また自分の話を聞き、Apple Watchを買った多くの人から連絡をもらっているそうだ。

ちなみに心房細動とは、心臓の脈拍リズムが不規則になる「不整脈」の一種であり、一般的には心房に生じた異常な電気的興奮により起こる。世界で最も優れた病院の1つと言われるメイヨー病院は、これを放置すれば「脳卒中、心不全、その他心臓関連の合併症のリスクが高まる」と説明している

心臓の疾患は自覚症状がない場合があり、心不全を起こすなど極度に悪化してからはじめて発覚することも珍しくはない。前にも「睡眠中にApple Watchに心房細動を検出してもらえた」などの報告がいくつかあったが、身内に高齢者がおられる方は、誕生日プレゼントにApple Watchを贈っておくといいかもしれない。