20日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)は一時、前日終値比で500円超上昇した。前日の米株式市場で、主要株価指数がそろって大幅上昇したことが好感されたとみられるが、そんな中、始値が前日終値比マイナスだったのが紳士服大手のAOKIホールディングスだ。前日終値の673円より8円安の665円でスタート。
同社の株安は、読売新聞のこの日朝の報道を受けてのものだ。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の理事だった高橋治之氏が、AOKI側から4500万円を違法に受け取った疑いがあると報じられた。
組織委理事は東京五輪・パラリンピック特別措置法により「みなし公務員」と位置付けられ、職務に関連した金品の受領をした場合、刑法の収賄罪に抵触する可能性がある。報道によると、2017年9月、高橋氏が代表を務めるコンサルタント会社コモンズとAOKI側がコンサル契約を締結し、コモンズはそれ以降、21年の大会閉幕頃までAOKI側から毎月100万円を受け取り、総額で4500万円に上るとみられる。東京地検特捜部は、コンサルは実態に乏しいとみて調べている模様だ。
このニュースが報じられると、AOKIの株価は9時19分には659円まで下がるなど一時下落。ネットでは「ダメだこりゃ、上場廃止」「ストップ安やろこれ。今から売っても爆益かな」「贈賄失望売りでストップ安イケイケ」といった声が上がっている。ただ11時30分の時点で株価は667円で戻すなど“もみ合う”展開となった。
【追記15:30】AOKIの株価は午後も下落傾向、20日の終値は前日比12円安の661円だった。
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【お詫び】12:30の初出時に、「紳士服量販店チェーン『洋服の青山』を展開するAOKIホールディングス」と書きましたが、「洋服の青山」の運営会社は青山商事で、AOKIホールディングスとは別会社です。深くお詫びします。