政府の規制改革推進会議の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)座長代理の原英史氏は20日、二審で逆転勝訴した毎日新聞との訴訟について、最高裁に上告したことを明らかにした。毎日新聞側もすでに上告手続きに入った模様で、両者の法廷バトルは最高裁で決着をつけることになる。
昨年9月の一審は毎日新聞が勝訴したが、東京高裁は今月4日、原氏が名誉毀損を訴えた毎日新聞報道の3つの争点のうち、規制改革を要望する学校法人が原氏との会食費用を負担したと書いた点については「真実であると信ずるについて相当の理由があったとは言えない」として原氏が一部勝訴の判決を下した。
原氏としては、このまま上告しない選択肢もあったが、上告期限の19日が迫る中、「正直迷った」という。しかし、同法人が原氏と協力関係にあるコンサルタント会社に対し、コンサル料として200万円の支払いをしたと報じたことについて、まるで原氏に対して支払われたような印象を読者に与えかねない報じ方が騒動の根幹にあったことから、改めて最高裁の判断を仰ぐ方針に傾いた。
原氏はこの日、支援者への報告で
- 判決は部分勝訴にとどまり(「会食接待」部分のみ勝訴)、「200万円を受け取ったとは書いていない」との毎日新聞の主張は認められている。
- 判決を踏まえ私は毎日新聞に真摯な検証を行うよう求めてきましたが、現時点で何ら対応がない。
の理由を挙げ、「このままでは、今後もこうした捏造報道が繰り返されかねません。最高裁でさらに争うとともに、毎日新聞の対応を引き続き要求することにします」と表明した。
この訴訟は、生前の安倍元首相も注目。銃撃事件で亡くなる4日前、原氏が逆転勝訴した際にはツイッターで判決から4時間後に「原英史さん毎日新聞に逆転勝訴。 毎日新聞は検証し、しっかり記事にして欲しい」といち早くコメントしていた。
原英史さん毎日新聞に逆転勝訴。
毎日新聞は検証し、しっかり記事にして欲しい。 https://t.co/xIZR4Rnhhq— 安倍晋三 (@AbeShinzo) July 4, 2022
原氏は支援者への報告で、「私の訴訟を気にかけ、判決の件も発信して下さっていた安倍総理が亡くなられたことは、未だに心の整理ができません」と揺れる心境を明かした上で、「モリカケなど捏造報道・捏造国会質問の最大の被害者は安倍総理でした。こんなことを繰り返さない社会にすることが、安倍総理から私に遺された宿題だと思っています」と最後まで闘うことを誓っていた。