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世之介も懸命に腕を伸ばし、足を踏ん張ったのだが、如何(いかん)せん雨を含んだ足元は緩く、結局、ズズズ、ズズズと、なんとも中途半端な速度で崖を落ちた。 落ちた先は礼二と同じ草のネットである。礼二と同じように仰向けに倒れてしまい、あとはもう、二人して危急時の雲の上のハイジ状態である。 …