いよいよ電動化とうわさが絶えなかったシビックタイプR。その新型がついに2022年7月21日に発表となった。電動化はなく、なんと今回もFFの2Lターボという構成は変わらずのデビューとなった。
しかも今回は「大人」の雰囲気ムンムンのエクステリアデザインを纏い登場した。EK9にFK2にタイプRを乗り継いだ編集担当も思わず「これほしい……」と漏らしてしまったそのデザインをとくとご覧いただこう!!
文/写真:ベストカーWeb編集部
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■赤バッジの誇りは「世界最速」FF車として引き継がれた
タイプRの系譜を紐解くとその証である赤バッジを纏ったのが1992年初代NSXに設定されたNSX-R。その後はインテグラ、アコード(欧州仕様)とタイプRのバッジは車種拡大を続けてきた。
当時の脳天を突き抜けるような超高回転VTECの気持ちよさ、FFとは思えぬ走行性能、そしてチャンピオンシップホワイトと赤バッジ。そんな個々のファクターが「ただ者じゃねー!!」というオーラを漂わせるタイプRの凄みがあった。
そんなタイプRシリーズで最も多くのモデルを輩出した車種は実はシビックなのだ。1997年の初代EK9、2001年の2代目EP3、2007年の3代目FD2/FN2、2015年の4代目FK2、2017年の5代目FK8と5世代に渡り脈々と「手の届く」ホンダスポーツのDNAを継承してきた。
いきなりセダンになったり、ターボになったり、時としてファンが腰を抜かすほどの大変化を遂げてきたシビックタイプRだが、その本質の部分は決して変わらず「操る楽しさ」だと思う。
そして2022年7月、ついに6代目となるシビックタイプRが登場した。基本的な構成要素は先代と変わらずFF+2Lターボ+6MT。事前説明会ではスペックの詳細は明らかにならなかったが「FF世界最速」の看板を掲げていることからも、ニュルブルクリンクでの記録もスペックも先代をゆうに超えているのは確実。
技術面で公開された一部を紹介していこう。まずは軽量フライホイール(重量-18%/慣性重量-25% いずれも先代比)。フライホイールの軽量化でブリッピングのレスポンスが向上し、シフトダウン時の回転数を合わせてくれるレブマッチシステムを全段(1速へのシフトダウンまで!!)に適用している。
またタービンの形状変更などでパフォーマンス向上も図られ、最高速およびパワーウェイトレシオも向上しているようだ。事前発表では詳細スペックは語られなかったが、今後徐々に情報が公開されるはずだなので追って紹介したい。
■上質感を得てシビックタイプRは次のステージへ
まず驚くべきはそのスタイリング。先代までは「いかにも」なフェンダーデザインで、それはそれでよかったのだが、少し戦闘的すぎるルックスが苦手と感じる人も多かったはずだ。
新型はリアドアからの一体でフェンダーの盛り上がりを成形しており、先代までの「メカメカしい」エッジを取り除いている。また大きな特徴はスムーズなフェンダーデザインだけではない。
デザインの改良は一見するとタイプRの聖域ともみえるリアウィングにも及んでいる。ウィングというよりも「羽根」といいたくなる先代までの大型ウィングはなくなり、小型化されたウィングは非常にデザイン面でもこだわった造形を魅せる。「こういうのでいいんだよ こういうので」と思わず呟きそうになったかっこよさ。
タイプRとしての空力効果は抜群で、大型化されたリアディフューザーとの合わせ技でしっかりとしたダウンフォースを生むそうだ。このあたりは近年のタイプRが主眼をニュルブルクリンクに置いていることもあり、より安定感を増すエアロダイナミクスの研究が進んでいる。
リアのテールゲートが樹脂部品を採用したことで先代比-20%の軽量化、構造用接着剤を先代の3.8倍の塗布をするなど軽量化も施されるなど、ホンダの本気度がヒシヒシと感じる(こういうところホンダらしい!!)。
発売開始は9月の予定だが、販売会社では7月22日から予約や受付を開始する店舗もあるようだ(編集部による取材情報)。台数限定ではなく通常のカタログモデルだが、近年の情勢を見る限り生産台数やロットが無尽蔵という可能性は低く、欲しい人はディーラーに急いだほうがよさそうだ(とはいえ価格もスペックもボディサイズも分からないのだが……)。
タイプRを乗り継いだ担当としては「NAのタイプRこそ至高」と考えるファンが多いのも分かる。しかしターボ世代のタイプRにもそのクルマでしか味わえない魅力が大いにあるのも事実。もしかしたら食わず嫌いは損かもしれませんよ!?
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投稿 タイプR史上最高デザイン!! 「世界最速FF」確定で9月発売だと……!? 新型シビックタイプR正式発表 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。