もっと詳しく

 東京-博多間を結ぶ、日本最長のバス路線「はかた号」。バス好きなら一度は乗りたい路線であるが、注目は到着後にもある。そう、博多バスターミナルが超有能なのだ。

遠くに行ったからには当然その土地の名物を味わいたいと思うが、もちろんそれも堪能できる。そのうえ、バス好きにはたまらない撮影スポットとしての実力もすさまじいのだ。今年の夏休みにぜひ行ってもらいたい博多バスターミナルの楽しみ方を伝授する!!

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)


博多バスターミナルから一歩も出る必要はない!

 高速バスのは2階の降車場で下車する博多バスターミナル。別の高速路線等に乗り換える場合は3階へ、福岡市内線に乗り換える場合は1階へ降りるだけでいいが、博多駅周辺はのりばが多いので、行き先によっては駅前停留所まで行く必要がある。JR博多駅へは地下や1階や2階からでも行くことができる。

 到着後にとりあえず一服とお考えの場合は、降車場の2階にちゃんと喫煙ルームが設置されているので、そちらへ直行するか、そのまま地下1階へ下りていただきたい。

 地下1階には飲食店や雑貨を扱う店舗が多数あり、その中にカフェ・バンカムがある。昭和チックな店内にはオーナーが集めたという古い一眼レフや二眼レフカメラが並べられ懐かしく思う方や、見たこともない銀塩カメラにおどろく世代の方もいるだろう。

昭和レトロなカフェ・バンカムは喫煙目的室扱い

 この喫茶店は喫煙目的室扱いなので、お店全体が喫煙可能だ。そしてコーヒーは複数のこだわり豆をそろえており、苦みや酸味やコク等の好みを伝えれば最適なものを勧めてくれる。

 これから乗車する方は、同じ地下に西鉄が経営する「コンビニ以上スーパー以下」という規模のにしてつストアがある。お弁当に飲み物はもちろんだが、「にしてつ牛乳」という500ml紙パック牛乳があるので、西鉄ファンの方はいかが?

みんな大好き?「にしてつ牛乳」

福岡ラーメンだけではない!

 到着後に食べたい方は、同じ地下1階の「牧のうどん」へ。福岡はとんこつラーメンが有名だが、うどんも特徴があり人気だ。県内のうどん店だけをひたすら巡るローカルテレビ番組が絶大な人気を誇るほど、福岡はうどん天国でもある。

 しかも、福岡都市圏と北九州都市圏とではうどんの特徴が異なり、食べ比べると驚くかもしれない。今回は博多なので北九州のうどんの詳細は述べないが、チェーン店だと「資さん(すけさん)うどん」が有名。

 そして福岡のうどんといえば、ここ「牧のうどん」だ。コシがまったくなく、どんどん出汁を吸っていく。「ぼさーっと食いよっけん、そげなこつになるったいね」と博多っ子から言われそうだが、早く食べないと本当にどうどんが増えてなくならない不思議現象が起きる。

牧のうどん

 そのため「追い出汁」が小さなやかんにで提供されるので、出汁がなくなれば継ぎ足しながら食べる。その分だけ麺は確実に増えているのでお急ぎを。福岡県なので「かしわ」や「ごぼてん」は福岡でも北九州でも共通項だ。

ドカベン派は8階へ!

 一方で、ガッツリ食べたい派には8階をお勧めする。8階はグルメエリアで、完全にドカ食い専門店化と思う4kgのカレーがある店や90分食べ放題が主なメニューの焼き肉店等がある。これはご覧いただいた方がインパクトがあるので、はかた号で到着後に博多バスターミナル8階へ。

 次に8階の奥の奥にあるお好み焼き屋「ふきや」だ。焼きそばも美味しいが、ここは大きさに注意だ。かなり分厚くデカいお好み焼きが来るので、小食の女性は注意したい。

 テイクアウトも可能だが、パックに入りきらず必ずはみ出してしまうので、これを購入して高速バス車中で食べようとは思わないことだ。ふきやのテイクアウト品は宿泊先で食べた方が良い。

撮りバスはどこででも!

 撮りバスをしたい方は、博多駅周辺とつながる歩道橋デッキ上からどこでもいいので道路上を狙えばファインダーにバスが入らないことはない。

撮りバスも自由自在

 10分滞在するだけでかなりの写真が撮れるはずだ。ターミナルに入る延長線上の歩道や、2階や3階に上がる高速車を撮影するポイント、市内路線車と高速車が合流してターミナルから「わっ」と放たれるバスの群れは圧巻だ。

時間のない方は空港から

 東京から到着することがが前提になっているようで恐縮だが、はかた号に乗る時間のない方は航空機で福岡空港に到着しよう。今や東京から福岡に移動する手段は航空機が最も早く安いが、地下鉄で博多に到着すれば地下でバスターミナルとはつながってるので、空港から30分以内で到着可能だ。

 観光地巡りが一番の目的だろうが、バスファンならではのターミナルから「出ない」で、バス鑑賞やターミナルグルメも楽しんでみてはいかがだろうか。

投稿 博多バスターミナルが有能すぎる!! 撮影スポットとしての実力がハンパなかった自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。