まとめ
- アムスラーチャートとは、「視野のゆがみ」「見えにくさ」を発見するために自宅でも気軽に出来る検査です。
- アムスラーチャートがきっかけで様々な目の病気が見つかることもあります。
- 定期的に行って目の病気を早期に見つけましょう!
突然ですが、皆さんは眼科をどれくらいの頻度で受診されますか?
中にはここ数年間全く行っていない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
眼科を受診する必要がないのは幸運なことですが、目の病気には症状に気付きにくく、「あれ?なんだか見えにくいな」と気付いたときには意外と進行してしまっている、というケースもありえます。
今回はそんな怖い疾患を早く発見するのに役立つ、『アムスラーチャート』という紙を使った検査について眼科医が解説します!
簡単な検査ですので、是非一度ご家庭でもやってみてくださいね。
この記事を書いた医師の名前
アムスラーチャートとは?
『アムスラーチャート』という検査を聞いたことがない方も多くいらっしゃるでしょう。
『アムスラーチャート』とは、「視野の歪み」や「見えにくさ」のセルフ・チェックに使える便利な検査です。
特殊な器具は必要なく、後ほど紹介する格子状の表を眺めるだけですから、自宅でも手軽に実施できます。
普段の生活では気付きにくい目の病気の早期発見に役立つケースもあるので、定期的にやってみることが望ましいです (参考文献 1) 。
特に『加齢黄斑変性 (かれいおうはんへんせい) 』という疾患は、視野が欠けていることに気付きにくく、患者さんが症状に気付かないことも多い疾患です。しかし、失明の原因となるため早期に発見することが重要です。
是非、一緒にアムスラーチャートを使って検査してみましょう!
方法
では、アムスラーチャートを使った検査の方法を詳しく解説していきます (参考文献 2) 。
- 近くのものにピントを合わせるための眼鏡 (老眼鏡メガネや遠近両用メガネ) を使用している方は、まずそれを着用します。
- 明るいところで目から約 30㎝ の距離に、アムスラーチャートという方眼紙 (下に実際の画像を貼ってあります) を置きます。
- 片目を隠して、方眼紙の真ん中の黒い点をしっかりと見ます。
- 線が欠けている、折れている、曲がっている、波打っているように見える部分がないかを確認してください。
- 次に、もう片方の目を隠して、同じことを行います。
実際にやってみよう
それではアムスラーチャートを使って実際に検査をやってみましょう!
PDFファイルがありますので、印刷して使ってみてくださいね。
下のアムスラーチャートをスマートフォンやパソコンなどの画面に映して検査するのもOKです。
こんな異常は有りませんでしたか?
アムスラーチャートを実際にやってみていかがでしたか?
特に異常が無かった人が多いかと思いますが、下記のような異常がある方もいたのではないでしょうか。
- アムスラーチャートの一部がゆがんで見える (イメージ : 左図)
- アムスラーチャートの一部が黒く抜けている (イメージ : 右図)
例えば、左のイラストのように、線がゆがんで見える場合は加齢黄斑変性などの病気を疑います。
右のイラストのように視野が一部欠けていれば緑内障 (りょくないしょう) や網膜色素変性症 (もうまくしきそへんせいしょう) などの病気を疑います (参考文献 3)。
※『加齢黄斑変性』と『緑内障』については、後日の記事でより詳しく解説する予定です。
何らかの異常がある場合は他の検査も行い、詳しく調べる必要があるため、眼科を受診するようにしましょう。
やってみていかがでしたか?
アムスラーチャートを使った検査は自宅でも簡単にできるので、定期的にやってみることをおすすめします。
鏡のそばや冷蔵庫の扉など、普段よく見る場所にアムスラーチャートを貼っておくのも良いかもしれませんね。
定期的に「視野のゆがみ」や「見えにくさ」がないかを確認し、セルフ・チェックで目の健康を守りましょう!
COI
本記事について、開示すべき COI はありません。
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