イーロン・マスクらが出資し設立したAI研究企業OpenAIが、今後数週間の間に、AI画像ジェネレーター「DALL-E」のベータ版提供を開始すると発表した。まずはウェイティングリストに登録した100万人に開放していく。
DALL-Eは、入力された文章に基づいた画像を生成するAIで、文章をコンピューターが解釈して、写実的なものからアートなタッチのものまで、1つの文章から4枚の画像を出力する。4月に発表された新バージョンの「DALL-E 2」は、生成した画像を編集する機能も追加された。
The Vergeによると、これまではDALL-Eにアクセスできるのは数千人にすぎず、人々は長い順番待ちにしびれを切らしつつあった。それもあってか、6月に公開された「DALL-E」とは無関係ながら、より簡易なテキスト画像生成AIツールの「DALL-E Mini」がSNS界隈でちょっと話題にもなった。なお「DALL-E Mini」は混同を避けるため、現在は「Craiyon」と名乗っている。
今回のDALL-Eベータ版では上述の通り、順番待ちリストに登録したユーザーから新たに最大100万人を受け入れる予定だという。
このベータプログラムは、DALL-Eが研究者や一般の人々にどう使われるかを知るためにも重要なものになるかもしれない。AIによる画像生成は、ときにディープフェイクのような、誰かに害を及ぼすような使われ方もされかねないため、多くの研究者がその動向に注目している。
DALL-Eベータ版にはクレジット制が適用される。このクレジットは、ユーザーが画像生成のために文章入力を1回行うと、1クレジットが消費される。公共交通機関における回数券のような仕組みと考えるとわかりやすい。
ユーザーには最初の1か月分として50クレジットが支給され、翌月からは無料で15クレジットずつが与えられる。もしそれで足りない場合は、追加でクレジットを購入することもできる。価格は115クレジットあたり15ドル(約2000円)となっている。
先に説明したとおり、入力された文章から、DALL-Eは4枚の画像を生成してユーザーに提供する。ただし、著名人の顔写真や暴力的または性的に露骨なもの、政治的なコンテンツに関しては生成されないような措置を講じているという。
一方で生成した画像に関しては、その商業利用を含めた使用権がユーザーに与えられる。そのため、それをアート作品としたり、書籍の挿絵やTシャツのデザイン、ゲームのキャラクターなどに使っても問題ないとのことだ。
ちなみにもし、登録はしてみたものの、うまく生成用のテキストが作れるか不安な場合は、PDF形式で公開されている解説書を参考にしてみると良いかもしれない。