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夫が勤務医時代の話である。当時、私たちは幼い子どもを抱え、病院の職員官舎に住んでいた。ある日、初老のご婦人が訪ねてきた。お菓子を持って、「先生にお世話になっています」と言い、その後も頻繁に来るようになった。 ところが、話が長く玄関先に居座る。「今から出掛けますので……」と話を切り…