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決戦 七 本陣を据えた丘から降りた晴賢(はるかた)は四百年前の武士の王・清盛が建てた社の東廻廊に入る。今は、満潮に近く、厳島(いつくしま)大明神の廻廊や拝殿の下には、満々と青緑の海水がたたえられていた。拝殿に入った晴賢は大鳥居の方を睨(にら)んでいる。平舞台の中心に、内侍と呼ばれる巫女(…