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戦争にまつわる傑作を取り上げる本連載、今回は太宰治晩年の短編小説「トカトントン」(新潮文庫『ヴィヨンの妻』などに収録)を取り上げる。戦闘は終わっても、戦争は終わらない。人の体、あるいは心に残った傷は容易にはいえない。そんな「未完の戦争」の実相を教えてくれる作品である。 物語は26歳…