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<p>イタリアンスーパーカーの魅力は電動化しても不滅……なのか? – webCG</p><p>イタリアンスーパーカーの魅力は電動化しても不滅……なのか?</p><p>時流に合わせて電動化を進めるフェラーリやランボルギーニ。ではこの先、われわれクルマ好きがかつて抱いたようなロマンや趣味性を保ち続けることはできるだろうか? 跳ね馬や猛牛と付き合ってきた清水草一が語る。</p><p>しかし、富裕層はそうはいかない。お金がどんどん増えていけば、新しいモデルへの欲望が、底なしに湧いてくるのが自然だ。 彼らは、プラグインハイブリッドのフェラーリやランボルギーニを争って買うに違いない。性能は間違いなく向上しているし、EVモードで静かに走るのも意外と面白かったりする。私は「SF90ストラダーレ」に関しては、EVモードでの走行が一番お気に入りだった。もはや公道でのアクセル全開は、一瞬でも不可能なほどパワーアップしている。むしろEVモードで無音で走行できることが、ツンデレ的に楽しく感じられたりする。 ただ、EUは近い将来、プラグインハイブリッドも禁止する。プラグインハイブリッドは、実際にはCO2規制の抜け穴として利用されていて、製造段階でのCO2排出量が多いぶん、純内燃エンジン車よりもむしろ環境に悪いという実態も暴かれつつある。 プラグインまで禁止されたら、イタリアンスーパーカーのメーカーはどうするのか? おそらくEVも出すのだろうが、主力は、カーボンニュートラルな燃料を使用した内燃エンジンになる……と期待したい。WRCは今年から100%バイオ燃料を使用しているし、ポルシェは「911」ユーザーのために、チリで風力発電による合成燃料生産に着手している。 ただポルシェは、「あくまで911のためのもの」という姿勢だ。EUがカーボンニュートラルな燃料で走るクルマの扱いをどうするか、まだよくわからない。今のところ「あくまで航空機や船舶用の燃料」と位置づけているようだ。内燃エンジンは、CO2を出さなくても、NOxなどの有害物質はゼロにはできないというのが理由である。 となるとやっぱり、イタリアンスーパーカーもEVオンリーになるのだろうか? いかに繊細に味つけしても、私にはEVはどれもこれも同じように感じる。内燃エンジンが存在すれば、EVも面白く感じるが、すべてがEVになったら多様性が失われ、何も感じなくなってしまいそうだ。フェラーリやランボルギーニの特別な味わいは消え、単なる加速力に置き換わってしまわないか? 個人的には古いフェラーリで十分なので、ひとごとではあるのだが、できればカーボンニュートラルな燃料を使用して、内燃エンジン搭載を死守してもらいたい。生物も機械も多様性が大事ですから! (文=清水草一/写真=アウトモビリ・ランボルギーニ、フェラーリ、webCG/編集=関 顕也) 新旧2台の「ランボルギーニ・カウンタック」(新型が写真右下)。名車のDNAを受け継ぐニューモデルの誕生は喜ばしいことだが、そこにかつてのようなロマンや趣味性があるのかが重要だ。</p>