国立成育医療研究センターと、女性の健康情報サービス「ルナルナ」アプリを手がけるエムティーアイ(MTI)はこのほど、新型コロナウイルスワクチン接種と月経異常との疫学的関連性についての調査を開始すると発表した。海外では新型コロナワクチン接種による副反応の一つとして月経異常が報告されているが、詳細な研究は少ない。そのため、両者は共同研究を通じて正しい知識や適切な接種行動につながる情報を提供し、社会的不安解消を目指す。
まずルナルナユーザーに対し、ワクチン接種の時期や副反応についてアンケートを実施する。加えてアプリに記録された月経周期や基礎体温などの匿名化したユーザーデータを解析し、新型コロナワクチン接種と月経異常の関連性の有無を明らかにする。また、副反応の程度や過去の病歴データも集積し、どのような人に接種後の月経異常が起こりやすいかの傾向も研究する。
一般的に月経不順や不正出血といった月経異常は、環境変化などによる心理的ストレスが一因であることが知られ、新型コロナウイルス感染症の流行にともなう社会情勢の変化が新たな環境要因の一つに指摘されている。
今回の研究で疫学的調査研究基盤を構築することにより、今後、新たに開発される治療薬やワクチンが与える女性ヘルスケアへの影響などに関する調査へ応用可能となることも期待される。
新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)
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