日本時間では丑三つ時よりも深い深夜3時からの決勝スタートとなった第9戦カナダGPでは、レッドブルF1のマックス・フェルスタッペンがフェラーリF1カルロス・サインツの猛追を振り切り、2連勝で今季6勝目。最後尾スタートから追い上げたアルファタウリF1角田裕毅はピットストップ直後にまさかのクラッシュ、悔しいリタイアを喫した。コロナ禍で3年ぶりの開催となったモントリオールの週末を、ドライバーや関係者のSNSで振り返る。
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F1ワールドチャンピオンとなったマックスもレースを離れれば、まだ24歳の若者。父の日のレースを優勝で飾り、思い出に残る最高の親孝行を果たした。
共に2015年にトロロッソからF1デビューを果した元チームメイト。このレベルの戦いを繰り返していれば、近い将来サインツはきっと初優勝に手が届くはず。
近ごろは表彰式前のクールダウンルームでのドライバー同士のやり取りが面白い。それぞれが映像を見ながら、自分の見えていなかった場面を確認したり、他のドライバーの走りをチェックしたり……。
久しぶりのフロントロウスタートで、この週末の話題となったアルピーヌF1フェルナンド・アロンソ。7位フィニッシュもレース後にぺナルディで9位に降格になるなど、浮き沈みの激しい内容となった。レースの前にはNHLモントリオール・カナディアンズのホームアリーナ、ベルセンターを表敬訪問。背番号「14」のユニフォームも気に入ったようだ。
■レッドブルとアルファタウリ仕様の整氷車
レッドブルF1セルジオ・ペレスが満面の笑顔で乗っているマシンは、スケートやホッケーのファンの間では「ザンボ」の愛称でおなじみのザンボニー社の整氷車。スケート靴で荒れた氷の凹凸を平らに削り、その削りかすを拾い上げ、さらに氷の表面をお湯で溶かしながら滑らかにしていく特殊な車両。どんな乗り物でもスピードを出したいF1ドライバーだが、残念ながらザンボニーの氷上での制限速度は時速9マイル(約14.4㎞/h)だ。
どちらもF1マシンのようなかっこいいカラーリングが施されたレッドブル仕様とアルファタウリ仕様の整氷車。日本のスケートリンクにも、このままの姿で登場してほしい。
メルセデスF1ルイス・ハミルトンは苦しみながらも今季2度目の3位表彰台を獲得。F1デビューの2007年以来、毎シーズン必ず優勝してきた記録を、今年も伸ばすことができるだろうか?
今回はチームメイトのハミルトンに先着を許したものの、安定の連続入賞を続けるジョージ・ラッセル。ドライバーズランキング2位のペレスとは18ポイント差、3位シャルル・ルクレールとは15ポイント差と、さらに上位を狙える位置まできた。
アルファロメオF1は7位、8位で開幕戦以来となるシーズン2度目のダブル入賞。今季はバルテリ・ボッタスの活躍が光るが、ここ数戦、不運が続いていたルーキー周冠宇も確実に速さを見せ始めている。
アストンマーティンF1ランス・ストロールは地元カナダで今季3度目となる10位入賞。父親がオーナーのチームでいろいろ揶揄されることもあるが、17番手スタートからのポイント獲得は賞賛されるべき。
■ミック・シューマッハーの訪問に困惑するメルセデス勢
日本のファンには深夜~明け方に飛び込んできたショッキングなシーン。最後尾から一時はポイントに手が届きそうなポジションまで追い上げていたアルファタウリF1角田裕毅が2度目のタイヤ交換を終えた直後にクラッシュ、セーフティカー出動の原因を作ってしまった。
過去何シーズンもずっとトップを走っていたメルセデスF1のハミルトンと、本来は今年のスターティンググリッドにも並んでいなかったはずのハースF1ケビン・マグヌッセンが、第6戦スペインGPに続いて今季2度目のオープニングラップでの接触事故。この2人は近くにいると吸い寄せられてしまう何かがあるのだろうか?
キャリアベストの予選6番手からスタートとなったハースF1ミック・シューマッハー。しかし、無情にもPUのトラブルに見舞われストップ。インスタグラムでひと言「Gutted.(がっかりだ)」とコメント。F1初入賞はまたしても次戦以降に持ち越しとなった。
何故かよそのチームのピット内を横切るミック・シューマッハーに困惑顔のメルセデス陣営。
ハースF1ギュンター・シュタイナー代表の顔がこれでもかと散りばめられたシャツを着るファン。もし鈴鹿の日本GPで販売されたら大人気間違いなし!