アップルが折りたたみ式デバイスを開発中と長らく噂されているが、今なお製品が発表されるどころか、部品が調達されたとのサプライチェーン情報もあまりない。
そんななか有名アナリストは、同社が9インチの折りたたみデバイスをテスト中ではあるが、噂の折りたたみiPhoneが発売されるのは2025年以降になるとの予想を述べている。
アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、台湾の経済紙・経済日報でこの見解を語っている。以前Kuo氏は、折りたたみiPhoneが早ければ2024年発売になると予想していたが、今年4月にはそれを修正する必要があるとして、「早くても2025年になる」と改めていた。今回はその発言を再確認し、可能性を強めた格好である。
またKuo氏は、アップル初の折りたたみ式デバイスはiPhoneとiPadのハイブリッドになるか、折りたたみ式iPadのどちらかになるとも述べている。
アップルの内情に精通したBloombergのMark Gurman記者は2月、同社が20インチほどの折りたたみデバイスを開発中だと示唆していた。また信頼性の高いディスプレイ専門アナリストRoss Young氏も「20インチ前後の折りたたみMacが開発中」と述べていたことがある。が、9インチとはサイズがかけ離れているため、「2サイズの折りたたみ製品が並行して開発中」とも解釈できそうだ。
この記事で興味深いのは、中国ファーウェイが、国内の折りたたみAndroidスマートフォン市場で半分以上のシェアを獲得していると指摘していることだ。ファーウェイは米政府が輸出規制をしたことで最新のAndroid OSや最新プロセッサーを搭載できなくなり、海外や日本では存在感が薄れているが、中国内では手堅い基盤を築いているようだ。
最後に経済日報は、上記のYoung氏が、アップルが現在はAR関連に注力していることや、サプライチェーンの関係者の話から判断して、同社が折りたたみ市場に参入するのは、予想より2年遅い2025年になると述べたと伝えている。
おりしもサムスンが、2021年内にほぼ1,000万台の折りたたみスマートフォンを出荷したと明らかにしたばかりだ。この数字は2020年から300%の伸びと主張されているが、数ヶ月で出荷が1億台を超えるフラッグシップiPhoneと比べればまだまだ規模が小さく、アップルが折りたたみ市場への参入を急いでいない理由を物語っている感もある。