マクラーレンF1チームのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルは、ダニエル・リカルドとランド・ノリスに対する謝罪の言葉を語った。F1第9戦カナダGPの決勝レースで、ふたりの力量に相応しいパッケージを供給できなかったためだ。
マクラーレンは、ポイントを加算できないままカナダを後にした。リカルドはトップ10入りを逃し11位、ノリスは15位という低いポジションでレースを終えた。
予選で9番手を獲得し、決勝レースでもポイント圏内で持ちこたえていたリカルドだったが、バーチャルセーフティカー(VSC)の導入中にミディアムからハードタイヤに履き替える際、順位を12番手にまで落とし、そこからの巻き返しに苦戦。一方ノリスは14番手から決勝レースに臨んだものの、ダブルピットストップの際に、チームの不注意から2台ともピットで時間を取られてしまい、トップ10に絡むことができなかった。その後ピットレーンを高速で走ったとしてスチュワードから5秒のタイムペナルティを科されたノリスにとっては、まさに踏んだり蹴ったりと言えるだろう。
「我々にとっては非常に不本意なモントリオールでの日曜午後だった」とザイドルは認めた。
「全体的に厳しい週末となった。マシンはペースを欠き、信頼性に問題を抱え、バーチャルセーフティカーの時間帯にはダブルストップを実行中にオペレーション上の問題にも苦しんだ」
「今日は、ライバルたちのほうがいい仕事をした。だから我々がポイントを獲得できなかったという事実は、受け入れなければならない」
「ランドにもダニエルにも、彼らに相応しいパッケージを提供できなかった。そのことについては謝りたい。そしてまた、我々はこれを学びの機会とすべきだ。2週間後にシルバーストンで行われる我々のホームレースに、より強くなって戻るためにだ」
落胆した様子のノリスは、カナダから持ち帰れるポジティブな材料はほとんどないと語った。
「すべてがうまくいかなかったと思う」とノリス。「ポジティブな材料もほとんどなかったしね」
「マシンもいい仕上がりではなかった。ときには強力な走りもできていたんだ。金曜日が終わった後には、もう少しいい結果が出せるのではないかと楽観していたけれど、ウイリアムズの後ろでにっちもさっちもいかなかった。彼らはおそらくストレートで一番速かったし、僕たちはストレートで一番遅かったと思う。それではオーバーテイクなど不可能だ。つまり、何もできなかったということだ」
「今日は速さがなかったということにつきる」とリカルドは話した。
「ペースを上げられずに苦戦していたんだ。それから、いくつかの問題にも取り組まざるを得なかった。プッシュもアタックもできなかったので、ポイント争いからもはるか遠くに取り残されてしまった」
「単純に、ペースの速いレースができなかったということだ。それと、(下位に低迷した原因として)少しだけ気温の問題もあった。それにも取り組んでいた」
「100%の力でプッシュできたら、トップ10争いにも加われていたかもしれないね。けれど、ひとたび気温やその他の問題に対処し始めたら、もう競争からは外れてしまう」
「もっといいレースがしたかったと思うよ。けれど、僕たちにはとにかく速さが欠けていたんだ」