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そんな二千花がいよいよ世之介に告白されたのは、テレビや新聞などで桜の開花予想が出始めたころである。 いつものように宝徳寺でボランティアの仕事をしていると、サーフボードを抱えた世之介が境内への石段を機嫌良さそうに上がってくる。 「どうしたの? サーフボードなんか持って」 二千花は窓から…