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『暗い夜の私』 (小学館 P+D BOOKS・770円) 私小説の名手、野口冨士男(一九一一―一九九三)の昭和期の七編を収録。戦前から戦後初期の文学の動静をつづるもので、現代小説に新境地を開いた一冊だ。「浮きつつ遠く」は、昭和一〇年前後の文士の生活にふれる。徳田秋声の家にも電話なし。島崎藤村、…