2021年から2022年プレシーズンテスト1回目までハースF1のドライバーを務めたニキータ・マゼピンが、契約を打ち切ったハースが今年のサラリーを支払っていないとして、訴訟手続きを開始したことを明らかにした。
ハースは、ロシアのウクライナ侵攻を受け、プレシーズンテスト2回目を前にした3月5日、ロシア企業であるタイトルスポンサー、ウラルカリとの契約と、ロシア出身のマゼピンとのドライバー契約を解除することを発表した。
ニキータ・マゼピンの父ドミトリー・マゼピンが共同オーナーを務めるロシアの肥料会社ウラルカリは、2022年シーズン開幕前に契約を一方的に打ち切られたとして、支払い済みのスポンサー料金1300万ドル(約17億円)の返金をハースに求める意向を明らかにした。しかしハースはこれを拒否した上で、契約解除による利益損失分860万ドル(約11億円)の支払いを要求したと、4月に伝えられた。
これとは別に、マゼピンは、ドライバー契約に関して、ハースF1チームに対し、給料の未払金の支払いを求めるため、法的措置を開始したと、ロシアメディアに明かした。
「契約解除の時点で、ハースから僕への今年の給料は未払いの状態だった」とマゼピンが語ったと『Championat.com』が伝えた。
「そして彼らはいまだにそれを支払っていない」
「雇用主は、少なくとも契約解除の瞬間までのサラリーは補償すべきだし、退職金も支払うべきだと思う。全世界から追い出されるのだ。それは間違っていると思う。でもこれは僕の意見にすぎないが」
マゼピンは、自分の給料に関する訴訟は、ウラルカリが進めている訴訟とは別物であると述べている。
「僕が話しているのは、契約上の義務が果たされなかったという事実についてだ」
「僕たちはふたつの独立した契約を結んでいた。タイトルスポンサー(ウラルカリ)との契約破棄は、チームにおける僕の将来に直接影響するものではなかった」
「つまり、彼らはふたつの別々の決断を下したんだ。僕はお金を支払われていない。だから法廷に出ようとしている。これは僕の個人的な話だ。書類はすでに裁判所に提出済みだ」