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レースへの不参加がさらに伝説性を高めた

旧プリンスのもと、高級乗用車として生まれたスカイライン。2、3代目と進化するごとに、スポーティなファミリーセダンとして性格付けが変わっていったスカイラインだが、2代目からはプリンスが吸収合併されたことにより、日産スカイラインとなった。「愛のスカイライン」のキャッチコピーで人気を博した3代目スカイライン(C10型系)がモデルチェンジし、4代目・C110型系となったのは1972年のことである。
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この世代はCMキャラクター「ケンとメリー」から、「ケンメリ」の愛称で親しまれた。機構的には先代C10系からほぼ変わりなく、L型6気筒エンジンに前ストラット/後セミトレのサスペンションという基本コンポーネンツ(GT系の場合)を受け継いだが、ボディは若干大柄に生まれ変わった。現在でも高い人気を誇るケンメリ・スカイラインだが、中でも特に伝説的存在として崇められているのが、わずか197台のみが生産され、うち195台が市販されたと言われる2000GT-Rであろう。



今さら説明するまでもないが、GT-Rは先代C10系にて登場したモデルで、当時はまだ高度なメカニズムであったDOHC4バルブのS20型エンジンを搭載した、レースのためのスカイラインである。ケンメリGT-Rが発売されたのはモデルチェンジの翌年1973年のことであるが、当時の世情から、このGT-Rがサーキットに姿を現すことはなかった。大きく重くなったボディはレースに出ても不利であったろうと言われているが、ブレーキは4輪ディスクに進化。先代ではリアのみだったオーバーフェンダーはフロントにも装備され、フロントグリルはメッシュの張られた専用品を装着し、外観は迫力を増していた。


プラモデルの世界では昔から人気者のケンメリGT-Rだが、ハセガワが新規キットのリリースを発表し、新たに話題を呼んでいる。ここでご覧頂いているのは、ハセガワを別とすれば1/24スケールのケンメリRとしては最新キットであるフジミのものだ。このキットではS20エンジンが再現されているのだが、ボンネットの開閉や着脱を前提としていないので、エンジンベイの再現が全くないのが残念なところ。そこを自作して完璧に補ったのがこの作例なのだ。ただし、エンジンはタミヤのハコスカのものを使用している。


今から15年ほど前に制作された作例だが、今も参考になる部分は多い。ハセガワから出る新キットに、フジミやタミヤのエンジンを移植してやろうと考えている方も少なくないだろう。この作例で特に驚嘆に値するのは、汎用の金属製ディテールアップパーツの類をほとんど使用していないという点だ。では、その工作を詳しくご紹介していこう。



エンジンは載せるだけでなく幅も調整!
S20エンジンはフジミ(写真は当時のパッケージ)とタミヤのパーツがあるが、比較のうえ再現性に優れるタミヤを使用。ただし若干細身なので対処が必要だ。ミッションケースを切り離した上で左右ブロックの間に1mmプラ板を挟んで接合。ヘッドカバーの幅はフジミとタミヤの中間が望ましいが、文字が正確に二重になっているフジミを使用、3分割して切断面を削り全体で1mm幅を狭める。前後も1mm詰め一旦削除したモールドはプラ材で再生。丸ネジは0.04mm洋白板を0.2mm径のリベットツールで打ち抜いて自作。








ホースクリップは0.04mm洋白線を2回巻き、短く切った0.3mm糸ハンダで止めのボルトを再現。フューエルラインはモデラーズの0.8mmブレーキホース。ビニールを剥がしクリップを施した。プラグコードのネックは細く切ったマスキングテープを瞬着で固めて再現。スロットルリンケージは資料を元に簡単なスケッチを描き、各種金属線で工作。キャブの蝶ネジは0.5mmプラ丸棒に0.13mmプラペーパーでヒレを接着。エアクリーナーのクリップは0.2mmの真鍮線で。蛇腹ホースのクリップには0.04mm洋白線と0.3mm糸ハンダを使用。コイルなど円筒形のパーツはプラ棒をモーターツールに挟み、精密ドライバーで削って自作した。







エンジンベイはまず、資料を見ながらイラストレーターで展開図を描いた。プリンターで出力し紙工作の要領でボディパーツにあて、上手く組めるよう修正して展開図を仕上げる。出力した型紙をスプレーのりでプラ板に貼り付け(写真左)、切り出して組み立て(中)、接着後にスポンジペーパーなどでカドを落として完成(右)。この要領で隔壁やタイヤハウスなども仕上げる。フード裏もイラストレーターで作図、数枚の積層なのでレイヤー機能で各層ごと描き分けても良い。パネルのフチには予めエッジの稜線を描いておき、斜めに削る。工作ができたらサラサラタイプの接着剤を塗ってエッジをダルにし、プレスを表現した。








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