BTCCイギリス・ツーリングカー選手権は、7月12~13日のスネッタートンで毎年恒例となったグッドイヤー・サマータイヤテストを実施。初日はチーム・ダイナミクスのエース、ゴードン・シェドン(ハルフォーズ・レーシング・ウィズ・カタクリーン/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)が最速タイムを記録したものの、2日間総合では最終日午前に54周を走破した、王者アシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)と、その僚友ダン・カミッシュが1-2となり、フォード陣営が好調さを披露した。
イングランド東部ノーフォークに位置する高速トラックに集った合計30名の面々は、初日から各陣営、各車両が精力的に周回を重ねると、午前午後の両セッションともにホンダ・シビック・タイプRが最速ラップをマークし、シェドンが1分56秒404のベンチマークを打ち立てた。
その背後には、わずか0.002秒差でポイントリーダーのトム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8・トレードプライスカーズ.com/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が続き、同じく0.008秒差でカミッシュのフォードが並ぶなど、シーズン序盤で好調だったFRのBMW330e Mスポーツを打ち負かし、FFハッチバック勢が上位を占めた。
「メカニックにとってもかなり暑い仕事で、コクピットのなかもそれはハードな労働環境だったが、最速を記録できたことは良かったよ」と、記録的猛暑に見舞われるイングランドの暑さを口にしたシェドン。「僕らはグッドイヤータイヤに関するプログラムのいくつかを実行したが、クルマのバランスは標準タイヤでも素晴らしいと感じることができた。明日も楽しみにしているし、今度はロングランでどうなるかを見ていくつもりだ」
この日はNAPAレーシングUKの2台を走らせるモーターベース・パフォーマンスの別組織、Apecレーシング・ウィズ・ビーバス・モーガンのエントリー名で参戦するレッドに彩られたフォード・フォーカスSTに、ポルシェのファクトリードライバーとして活躍し、ル・マン24時間総合優勝も成し遂げたニック・タンディが座り、シーズンではオリー・ジャクソンとサム・オズボーンがドライブする2台と、NAPAレーシングUKの車両を交互に試し、全体12番手のタイムを記録している。
■トップタイムは意外な結果と強調した王者サットン
明けた2日目からは、そのNAPAレーシングUKのレギュラー勢も本格的テストプログラムに従事し、午前のセッション途中からステアリングを握ったサットンは、いきなり54ラップもの周回を重ね、前日のシェドンよりコンマ3秒更新し、テスト全体の最速タイムを設定した。
「今日の僕らの1日は、大半がオプションタイヤの確認と他のいくつかのことをテストするプランで占められていた」と、グッドイヤー指名の公式テスターとしてもプログラムに協力したチャンピオン。「正直なところ、現行のレースタイヤでアタックラップを敢行したダン(・カミッシュ)の方がタイムは良いだろうと思っていたんだ。僕らはグッドイヤーの要請により、まったく異なるプログラムを実行していたからね」と、本人はこのトップタイムが意外な結果だったことを強調した。
「この2日間で、このクルマはまだ順調な進化の推移にいることが分かった。まだ可能性を秘めているようだし、それはダンのペースにも表れている。ここで学んだことをベースに、ノックヒルに行っていくつかのことを試すのを楽しみにしている」
そのカミッシュはエースから遅れること0.015秒差の2番手で続き、3番手には開幕ポールシッターのジェイク・ヒル(MBモータースポーツ・パワード・バイ・ロキット/BMW 330e Mスポーツ)が並んだものの、首位からはコンマ3秒のビハインドとなった。
2022年シーズンも折り返しとなるBTCC第6戦は、王者サットンの言葉どおり7月30~31日にノックヒルで再開される。