ABARTH(アバルト)の主軸スポーツモデルである『595』に、専用のアクセントカラーを含む個性豊かな全5種類のボディカラーと、5速マニュアルトランスミッションに左/右ハンドル仕様の選択が可能な新グレード“F595”が登場。7月9日より発売が開始される。
フィアットの国民車である『500(チンクエチェント)』をベースとし、名チューナーのアバルトにより“サソリの毒”が注入された『595』は、コンパクトなボディに強力なターボエンジンを搭載し、クラスの枠を超えた高いダイナミクス性能を誇るモデルとして世界中のファンから支持を集めてきた。
その同車に加わったF595は、日本市場では2020年5月より限定車として展開された『595 Pista(ピスタ)』の後継モデルに位置付けられ、サーキットを志向したピスタとは異なり、スポーツ性と快適性のバランスに優れた1台とされた。
このF595は各部の仕様を最適化することにより、ロングツーリングでの快適性とワインディングロードでの俊敏性といった、相反する要件を高次元で満たす、バランスの取れたサスペンションやパワートレイン、シリーズきっての個性的なエクステリアが特徴となる。
その外観を印象付ける5種類のベースカラーに、フロント/リヤバンパーの一部とドアミラーに配される特定のアクセントカラーを組み合わせた5バリエーションをラインアップ。そしてF595専用にアレンジされた高性能エキゾーストシステム“レコードモンツァ”は、ハの字に配されたツインデュアル式エキゾーストエンドが、精悍なリヤビューを演出するなど、エクステリアを華やかに彩る独自のレイアウトを採用した。
心臓部には、最高出力165PSを発生する1.4リッター直列4気筒DOHCインタークーラーターボを搭載し、これはイタリアとドイツのフォーミュラ4向けにアバルトが供給するベースユニットと同機種となる。さらに5速MTはハイエンドスポーツモデル『595コンペティツィオーネ』同様、ワイドなギヤレシオにより発進のしやすさや俊敏な加速性を備える一方、クルージング性能にも配慮した設定とされた。
さらにダイナミクス性能の面では、標準コイルスプリングにKONI製FSDショックアブソーバー(リヤ)が組み合わされたサスペンションを採用。デイリーユースでも扱いやすい乗り心地を確保しながら、595シリーズ持ち前の俊敏性の高いハンドリング性能を発揮し、フロントドリルドベンチレーテッドディスクならびにフロントハイパフォーマンスブレーキパッドが、スポーツドライビング時のハードなブレーキングにも耐えうる優れた放熱性と制動力を兼ね備える。
一方、ブラックを基調としたインテリアでは、ヘッドレスト一体型のスポーツシートやレザーシフトノブが採用され、スポーティな空間を演出。フルオートエアコンやリアプライバシーガラス、ヒーテッドドアミラーなど快適装備も充実している。
この新グレード“F595”導入により、従来の595ベースモデルは在庫がなくなり次第で販売終了となり、価格は390万円(税込)となっている。