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 特装車メーカー大手の極東開発工業は7月20日、ごみ収集車(塵芥車)向けの新型計量装置「シャフト式スケールパッカー」を発表し、メーカーオプションとして7月26日から発売する。

 その場でごみの重さが計れる計量装置付きの塵芥車は、荷箱と積込装置の位置が高くなってしまうのが悩みだったが、新型ではこの高さを抑え、通常の塵芥車なみを実現したのが特徴だ。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/極東開発工業


計量装置とは

シャフト式スケールパッカーは、最大積載量3.5トン級ワイド小型トラックをベースとする圧縮式塵芥車「プレスパック」のオプション装備である

 実は塵芥車には、多数のオプション装備が設定されており、「計量装置」もその一つ。その名のとおり、塵芥車に積みこまれたごみの重さを計り、収集したその場で表示できるシステムである。

 ごみを計量する重量センサーとして、一般的には「ロードセル」と呼ばれる歪みゲージが用られている。塵芥車では、これを架装物(荷箱と積込装置)を載せたサブフレームを支持する形で4基が装着される。

 極東開発では、これまでビーム式と呼ばれるロードセルを用いてきたが、今回の新オプション「シャフト式スケールパッカー」では、シャフト式(ピン式)のロードセルを新たに採用した。

通常車と同等の車両サイズ・荷箱容積を実現

通常の塵芥車とほとんど変わらないプロポーション、積込性能で計量機能の搭載を可能としている

 シャフト式ロードセルは、架装物の搭載位置が、計量装置を装備しない通常の塵芥車なみに抑えられるのが最大の特徴だ。

 例えば荷箱容積が7.1立方メートル(m3)のプレス式塵芥車のスケールパッカー装着車で比較すると、新型は車両全高が-60mmの2290mm、リヤのごみ投入口の地上高が-51mmの785mmと、大幅な引き下げを実現する。

 ごみ投入口の地上高の引き下げは、収集作業員が、ごみを投入口の高さまで持ち上げる労力を改善する意味があり、また車両全高の引き下げは、ビル内のような高さ制限のあるところでも運用可能となる。さらに、ビーム式と同じ車両全高であれば、そのぶん荷箱容積を拡大することが可能になるわけだ。

バリエーション拡大も可能に

 シャフト式スケールパッカーは現時点では、最大積載量3.5トン級ワイド小型トラックをベースシャシーに、プレス(圧縮)式の積込装置を架装する「プレスパック」にのみオプション設定される。

 さらに細かいところでは、プレスパック標準仕様の荷箱容積4.4m3・5.9m3・6.0m3・7.1m3・7.4m3の計5タイプ、プレスパック高積載仕様の荷箱容積6.9m3・8.3m3の計2タイプが装着可能モデルである。このうち高積載8.3m3タイプは、従来のビーム式では成立できなかったモデルだ。

 なお、計量装置の重量はシャフト式・ビーム式ともに同じだが、ロードセルの搭載位置が異なるため、特定の条件を満たしたシャシーを架装ベースとするシャフト式では、最大積載量がプラス150kgの増トンを実現できるという。

 メーカーオプション価格は税別300万円。同社では年間30台の装着を目指しており、今後も「ブレスパック」の他の小型モデルや中型モデル、さらに回転板の積込装置を架装する「パックマン」シリーズでもオプションとして展開する方針だ。

ごみの重さを計るとは

 ちなみに、ごみを計量・表示するメリットとして、同社では次の4点を挙げている。
 
 (1)ごみの収集情報の確認とその情報の管理・活用
  (回収物の重さ・日時などを記録・管理。ごみ減量推進活動への活用)
 (2)収集場所でごみ重量を表示
  (その場で正確なごみの重さがわかる)
 (3)積みこんだごみ全体の重量を計量できる
  (過積載の防止)
 (4)顧客別に取引価格を明確化できる
  (正確なごみ重量に基づく取引価格が明示できる)

 計量装置付塵芥車が、通常の塵芥車とほぼ同等の作業性・積載性を備えることで、これらのメリットもより広く活用されるかもしれない。

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