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<p>Netflixの新作群に、世界で熱狂的に支持される日本の「オタクカルチャー」の真価を見た</p><p>かつて無名だったダファー・ブラザーズは、「ストレンジャー・シングス」の企画を米国のテレビネットワーク各社に持ち込むも断られたという逸話がある。そこに唯一、ネットフリックスだけが手を差し伸べたのだ。</p><p>Netflixの人気SFホラー「ストレンジャー・シングス」、そして新たにNetflixで世界公開されることが発表された園子温監督の新作をはじめとする日本発のオリジナル作品群──。これらには大きな共通点がある。どれも日本の“オタクカルチャー”ともいえる独特の文化に根ざしており、そこにネットフリックスがコンテンツとしての大きな価値を見出しているという事実だ。</p><p>の最新シリーズとなるシーズン3(2019年7月4日配信)だった。 発表会にはウィル役のノア・シュナップ、ダスティン役のゲンテン・マタラッツォなどの主要キャストが登壇し、作品の見どころを語るセッションが用意された。企画・製作総指揮のダファー・ブラザーズことロス・ダファーとマット・ダファーの来日はかなわなかったが、日本のファンに向けたこんなヴィデオメッセージが会場で流された。 「スピルバーグの作品から影響を受けていると思われがちだけど、実は日本の文化からの影響が大きいんだ。なにしろふたりとも超オタクで、ゲーム好き。実際に『AKIRA』や『サイレントヒル』といった作品が、『ストレンジャー・シングス』のアップサイド・ダウン(裏側の世界)を描くうえで役立った。シーズン3は『バイオハザード』がヒントになっているんだ」 ここでダファー・ブラザーズが語ったアップサイド・ダウンとは、「ストレンジャー・シングス」を語る上で欠かせない概念のひとつで、人間が住んでいる“表側”の世界と同じ場所にある別次元のパラレルワールドのことを指す。ふたりがこれまで日本の“オタクカルチャー”に触れてきた体験が、その世界観を生み出したというのだ。Netflixを代表する世界的な大ヒット作の原点に思わぬかたちでかかわっていたとは、日本人にとって聞き逃せない事実であろう。 かつて無名だったダファー・ブラザーズは、「ストレンジャー・シングス」の企画を米国のテレビネットワーク各社に持ち込むも断られたという逸話がある。そこに唯一、ネットフリックスだけが手を差し伸べたのだ。これはネットフリックスが、いかに知名度よりも企画性を重視しているかを象徴するエピソードといえる。 そして、そのアイデアが世界的なヒットへとつながった。こうして日本のポップカルチャーやサブカルチャーに影響を受けた作品がヒットしたからこそ、海外で「オタクカルチャー」として愛されるエッセンスを日本ブランドとして発信していくことの重要性を示唆しているともいえるだろう。 「ストレンジャー・シングス 未知の世界」を企画・製作総指揮したダファー・ブラザーズことロス・ダファーとマット・ダファーは、日本のカルチャーから影響を受けたと公言している。CHARLEY GALLAY/GETTY IMAGES/NETFLIX 『呪怨』「深夜食堂」「テラハ」「クィア・アイ」が支持される理由 実際にこうした日本のオタクカルチャーは、すでに海外で熱狂的なファンを獲得している。代表格は、言うまでもなく「ジャパニメーション」だ。今回の「Netflixオリジナル作品祭」で発表された作品群では、「Cowboy Bebop」がそれにあたる。日本のSFアクションアニメ</p>