ポロはグローバルで累計1800万台、国内でも30万台が販売されてきた、フォルクスワーゲンの基幹モデルである。今回のマイナーチェンジは、リフレッシュされた内外装とともに、新世代エンジンの搭載がトピック。その進化を早速チェックしてみよう!
新型のインテリアはゴルフに迫るデジタル化
2017年にデビュー、日本でも2018年に販売が開始された6代目ポロがマイナーチェンジし、欧州から1年遅れで日本に上陸した。今回の変更では、エクステリアのリニューアルと新世代エンジンの採用、運転支援システムの充実などが注目すべきポイントである。
6代目から日本の3ナンバーサイズになり、存在感を増したポロだが、今回のマイナーチェンジではフロントマスクやライト類の見直しによりイメージを一新。たとえば、ヘッドライト下部の2本のLEDストリップとそれを結ぶようにラジエターグリルを横切る長いLEDクロスバーや、分割式になったLEDリアコンビネーションライトの採用により精悍さを増すとともに、いまや”ゴルフ ミニ”といえるほどの上質さを手に入れたように思えるのだ。
一方、インテリアも、液晶デジタルメータークラスターをはじめ、タッチ操作式のエアコン操作パネル、最新式のインフォテインメントシステムなどの採用により、兄貴分のゴルフに迫るデジタル化が図られた。同一車線内全車速運転支援システムのトラベルアシストやマトリクスLEDヘッドライトのIQ・LIGHTが選べるようになったのも朗報である。
エンジンは、従来の1L直列3気筒直噴ターボと1.5L直列4気筒直噴ターボの2本立てから、1Lターボのみのラインナップに。999ccの排気量や95psの最高出力は変わらないが、その中身は最新世代へと進化している。EA211 evoと呼ばれるこのエンジンは、ミラーサイクル燃焼プロセスとVTG(バリアブルターボジオメトリー)の採用により高効率化。圧縮比は10.3から11.4へと高められている。その結果、WLTC燃費は16.8km/Lから17.1km/Lに向上し、また、175Nmの最大トルクを従来より400rpm低い1600rpmから発揮するようになった。
その最新型ポロをメディア向け試乗会で短時間試すことができた。試乗車は最上級グレードで、スポーティな内外装が特徴のポロTSI Rラインである。
さっそく走らせると、マイナーチェンジ前の1Lエンジンに比べて、ずいぶん洗練されたなぁというのが第一印象。3気筒特有のノイズや振動が大幅に抑え込まれ、ほとんど気にならないレベルまで改善されているのだ。
加速性能も、以前に比べて低回転のトルクが増しており、これまで以上に扱いやすい。急加速が必要な場面では、アクセルペダルを深く踏み込んでやることで、2500rpmを超えたあたりから勢いを増す。余裕たっぷりとはいえないが、ストレスなくコンパクトなボディを加速させるには十分だ。
乗り味は、215/45R17のスポーツタイヤと少し硬めのサスペンション、そして、トルクベクタリング機能のXDSを搭載するRラインは、実に軽快。ただ、そのぶん、乗り心地にはやや粗さが目立ち、路面によってはショックが気になることも。その点、16インチタイヤを履くTSIスタイルは乗り心地がマイルドで、どちらを選ぶかは好み次第だ。
それはさておき、マイナーチェンジで進化を遂げたポロは、ゴルフよりもコンパクトで扱いやすいサイズに魅力を感じる人に対して、自信を持ってお勧めできる一台に仕上がっているのは確かである。
【Specification】フォルクスワーゲン・ポロTSI Rライン
■全長×全幅×全高=4085×1750×1450mm
■ホイールベース=2550mm
■車両重量=1190kg
■エンジン種類/排気量=直3DOHC12V+ターボ/999㏄
■最高出力=95ps(70kW)/5000-5500rpm
■最大トルク=175Nm(17.9kg-m)/1600-3500rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション(F:R)=ストラット:トーションビーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F&R)=215/45R17
■車両本体価格(税込)=3,290,000円
■問い合わせ先=フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン 0120-993-199
投稿 仕上がりはゴルフと比べて遜色ナシ! マイチェンを受けた新型フォルクスワーゲン・ポロは完成度の高い1台 は CARSMEET WEB に最初に表示されました。