メルセデスF1チームは、次戦F1イギリスGPにおいて、W13に新パーツを導入する予定であることを明らかにした。今シーズン、優勝争いに加わることができずにいるメルセデスは、マシンが抱える問題を解決し、可能な限りのパフォーマンスを引き出すことを目指している。
第9戦カナダGPでは、ルイス・ハミルトンが3位、ジョージ・ラッセルが4位を獲得、ポジティブな結果ではあったが、レッドブルとフェラーリからは大きく離されていた。
「ひとつ確実なことは、我々はできる限りハードにプッシュしていくということだ」とメルセデスのマイク・エリオットは、カナダGP後にチームが公開した動画のなかで語っている。
「シルバーストンには新しいパーツを持ち込み、マシンを前進させる。今のマシンやパッケージ、そしてこれから追加する新パーツから、ペースを引き出すことを目指す」
「しかし同時に、現時点で我々はフェラーリとレッドブルといったトップのマシンより少し劣っていることを、正直に認めなければならない。通常のレースでは厳しい状況になると思う」
メルセデスは、シーズン最初から苦労してきたポーパシング(空力的な影響で起こる激しい縦揺れ)の問題を今は掌握していると確信している。しかしパフォーマンスを発揮するために車高を下げるとバウンシングが起こり、ドライバーたちはその問題に苦しめられている。
しかしながらエリオットは、シルバーストンのレイアウトと路面は、W13との相性が多少は良いと期待している。
「シルバーストンは、バルセロナのように、我々に比較的合うサーキットだと思う。だが、それでも少し苦労するだろう」
「いずれにしても、全力でプッシュしていく。ドライバーたちも全力でプッシュしていくはずだ。我々は優勝可能な状態に戻りたいのだ」
「チームのために勝ちたい。ファンの皆さんのために勝ちたいと思っている。何が起こるか見ていこう」
前回の大規模なアップグレードはスペインで行い、この際にメルセデスは大きな手応えを得た。だが、その後のバンピーな路面のサーキットでは苦戦することになった。
イギリスGPでメルセデスは、この9年のなかで8勝を挙げている。しかしチーム代表トト・ウォルフは、楽観的な見方はしていない。
「我々はこれまでシルバーストンで好結果を出してきた。このサーキットは、過去3戦(モナコ、アゼルバイジャン、カナダ)に比べるとスムーズだ」
「だがバルセロナとは異なる。我々は自分自身の期待をマネージし、集中して学習し、データをチェックし、シルバーストンだけでなくその後にも向けて、賢明な解決策を見出す必要がある」