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 先日、沖縄の梅雨明けが発表されました。その他の地域ではもう少し雨の季節が続きそうですが、日に日に夏が近づいていることを実感する暑さが続いています。どうやらこの夏も、外出時のマスクが求められるシーンが多くなりそうで、熱中症対策には、特に注意が必要となりそうです。

 熱中症対策は、屋外のみならず、屋内にいるときにも必要というのはご存じのとおり。もちろん、クルマのなかにいるときにも、注意が必要です。猛暑到来前に再確認しておきたい車内での熱中症対策をご紹介します。 

文/エムスリープロダクション、吉川賢一
アイキャッチ写真/ichikei – stock.adobe.com
写真/Adobe Stock、TOYOTA

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エアコンが効いた車内でも熱中症のリスクはある! 具体的な対策を解説!!

エアコン効かない! その時どうする? エアコン故障の予兆と対策とは
真夏はエアコンが必須だが、車内が乾燥しやすく汗をかいてもすぐに蒸発してしまう。そのためエアコンが効いていても、気づかないうちに脱水症状に陥りやすい(Monika Wisniewska – stock.adobe.com)

 部屋の中でも車内でも、真夏はエアコンが必須。ただ、エアコンがしっかり効いていても、熱中症になることがあります。特にクルマは、多くの部分が鉄でできているために太陽で熱せられることで車内温度が簡単に上昇し、また、ガラスから差し込む直射日光や、それらによって熱せられた内装から伝わる熱で、気づかないうちに身体が熱せられます。

 クルマで移動中は、トイレに行く回数を減らすため、無意識に水分補給を控える傾向にあり、ドライバーは、運転に集中していると、水分を摂る意識が低くなりやすいです。そのうえ、エアコンによって車内が乾燥しやすいため、汗をかいてもすぐに蒸発してしまうことから、エアコンが効いていても、気づかないうちに脱水症状に陥りやすいのです。

●対策1:水分補給は「麦茶」か「水」

 脱水症状にもいろいろあり、状態別に必要な飲み物は変わってくるようですが、運転中の「かくれ脱水」を防ぐのならば、「水」もしくは「麦茶」が最適とのこと。カフェインが含まれるお茶やコーヒー、エナジードリンクは利尿作用があることから、水分補給として適さないばかりか、トイレに行く回数が増えてしまいます。

 また、「熱中症対策」ときくと、スポーツドリンク等が浮かぶと思いますが、スポーツドリンクはその名のとおり、スポーツなどで大量に汗をかいたときにエネルギーやミネラルも補給するために飲むものであり、運転中では糖質過多となってしまうことから、ダメではないですが注意が必要とのこと。「ドライブ中は好きな飲み物を飲みたい!!」という場合も、一緒に水もしっかり摂るようにしてください。

●対策2:喉が渇く前に水分補給

 また、「喉が渇いたな」と感じる前に、こまめに水分補給をすることもポイントです。人間は、軽い脱水の状態では、のどの渇きを感じないようです。

 前述もしたとおり、クルマで移動中は水分補給を最小限にしがちなため、のどが渇く前に水分補給をする、というのは、意識をしていないとなかなかできません。特にご高齢の方は、水分不足に気づくのが遅れがちなため、意識してこまめな水分補給を心がけましょう。

●対策3:座る位置にも対策を!!

 熱中症にかかりやすい小さな子どもさんやご高齢の方には、座る位置にも対策をすることで、リスクを軽減できます。サイドウィンドウにシェードを設置して、直射日光で車内が暑くなり過ぎないようにすることが、最も手軽にできる対策ですが、透過率基準をクリアする断熱フィルムを貼るのも一案。

 ウィンドウフィルムの類は、ウィンドウフィルム張りのプロショップにお任せすることを強くお勧めします。予算に余裕があれば、フロントガラスを断熱ガラスへと交換するのもいいでしょう。衣服も、輻射熱を吸収しやすい黒色のものは、さけたほうがいいです。

 同時に、家庭用エアコン同様、フィルターのメンテンナンスも忘れないようにしたいところ。エアコンの効きが気になるようであれば、エアコンのガス漏れなども考えられるため、ディーラーやカー用品店で一度みてもらうようにしてください。エアコンのコンプレッサーオイル添加剤を使用してみるのもいいでしょう。

 真夏の長距離ドライブ中にエアコンが突然効かなくなった、なんて恐ろしい事態を避けるため、エアコンの効きが悪いな、と感じたら、早めに対応するようにしましょう。

「クルマで移動だから」と侮ってはいけない

 熱中症は、そのときの体調によって、かかりやすくなることがあるそうです。たとえば、風邪をひいて熱があるときや下痢をしていると、いつもよりも脱水状態ですし、二日酔いも脱水の状態です。体調がすぐれないときに運転をしないのはもちろんのことですが、同乗者として移動するのも、真夏は特に慎重にならなければなりません。「乗ってるだけだし」と侮って、深刻な状態になることがないよう、注意してください。

●短時間でも絶対に車内に子どもや高齢者、ペットを残してはいけない

 JAFによると、2019年8月の1カ月間における「子どもやペットを車内に残したままのキー閉じこみ」による出動件数は、全国で144件(子ども115、ペット29)。このうち、緊急性が高いとしてドアガラスを割って救出したケースが9件あったそうです。

 気温35度の炎天下では、エンジン停止後わずか15分で危険なレベルに達するという車内温度。たとえエアコンをかけていても、車内では前述の理由で熱中症のリスクがあります。体調変化にすぐに気づくことができるようにしておくことが重要です。

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