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 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリがフランスのメディアに対し、将来フランスGPはニースでストリートレースとして行われる可能性があると述べたため、かなりの騒動になった。

 ドメニカリの発言は、主にモナコ自動車クラブ(ACM)にプレッシャーをかけるためだと考えられている。ドメニカリは現在、ニースから約20kmのモンテカルロでのモナコGPに向けた新契約について、交渉を行っているところだ。華やかなモナコGPは常に特別なケースで、開催権料は低く抑えられ、ホスピタリティとコースの広告には特別な配慮がなされてきた。

 ACMの契約は今年のレース後に終了しており、今後F1はより“現代的な”契約の締結を求めている。開催権料を値上げし、ホスピタリティとコース上の広告を、他のグランプリプロモーターと同条件にするということだ。たった20kmしか離れていない場所でのストリートレースの代替案を持つことは、ドメニカリの交渉の役に立つだろう。

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2022年F1第7戦モナコGP フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 ニースの新しいコースがどこに設置されるのかについての発言はなかったが、有名な海岸沿いのプロムナード・デ・ザングレは、メインストレートとして人気が出るだろう。当然ながら、このエリアにピットとパドックを置くスペースが見つかればの話だが。より現実的な選択肢は、市内中心部の西にある、アリアンツ・リビエラ・サッカースタジアム周辺のエリアだろう。

 実はニースには、同市出身のF1ドライバーであるジャン・ベーラとジュール・ビアンキの名前がついたふたつの通りがある。

 フランスGPをニースで開催するというアイデアが生まれたのは、ポールリカール・サーキットでのレース開催が実行可能な選択肢とは言えないことが明らかになってからのことだった。アクセスが不便であり、観客収容人数が少ないことから、ポール・リカールでのF1の将来には大きな疑問が投げかけられている。興味深いことに、ポール・リカールでのフランスGPの背後にいる関係者のひとりは、現在のニース市長であるクリスチャン・エストロシだ。