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渡辺松男第10歌集『牧野植物園』が刊行された。この歌集の魅力を語るのはとても難しいが、何首か読んでみたい。 ・えいゑんはとまりて落下せぬ雨を五十 階にてつまむほそき手 ・未明にてふる雪ずつとふるだらうおも へば怖し埴輪(はにわ)の眼(め)など 雨粒とそれをつまむ指が、瞬間の永続といった…