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高速手放しなら日産プロパイロット2.0 新型アリアは新幹線より快適かも!?

 高速道路で手放し運転が可能な画期的な運転支援システム、プロパイロット2.0は日産アリアにも搭載された。

「自動運転を楽しんでほしい」と呼び掛ける国沢光宏が、アリアに乗って軽井沢を目指した。

文/国沢光宏、写真/池之平昌信

【画像ギャラリー】自動運転を楽しんだ!! プロパイロット2.0搭載の日産 アリアで行く2022年軽井沢への旅(27枚)画像ギャラリー

■世界初のプロパイロット2.0投入以来、日本の道をハンズオフで一番走っている日産!


 どんなにクルマ好きでも高速道の一定速走行や渋滞の運転は楽しくないと思う。加えて単調な運転だと眠くなるし、速度変化の大きい渋滞時はうっかりミスによる追突事故も発生しやすい。

 実際、休日の事故の多くが、渋滞時に発生する追突事故。楽しい休日も台無しだ。そんな時、クルマが運転を補助してくれたら大いにありがたい。現時点で最も頼もしい“相棒”といえば、日産のプロパイロット2.0だったりする。

日産アリアと国沢光宏氏

 最初に機能を紹介しておく。最大の「いいね!」は広範な速度域や道路状況でハンズオフ走行を可能としている点にある。ほかにもハンズオフ走行を実現しているメーカーもあるけれど、先行車がある渋滞時など限られた条件のみ。

 それ以外でも台数が限定となったり、1000万円近い高級車に限られるのが実情。プロパイロット2.0の場合、高速道路で制限速度内までは先行車がなくてもハンズオフ走行ができるのだった。

2019年世界で初めてプロパイロット2.0を搭載したスカイラインでハンズオフを可能にした日産は、過去には車線逸脱防止支援や後側方衝突防止支援、前方衝突予測警報といった世界初の技術を開発してきた
その技術の蓄積が全方位運転支援システム(360°セーフティー)を確立し、スカイラインで得た知見も加え、安心してハンズオフを体験できる最新のプロパイロット2.0を搭載するアリアが発売された

 こう書くと「居眠りしたら危険だ」と思うかもしれない。確かに居眠りはハンズオフ最大の懸案事項だ。日産も充分認識しておりプロパイロット2.0でハンズオフ走行すると、ダッシュボード上のカメラが常時ドライバーの目線や顔の向きを追いかけている。

 居眠りはもちろん、携帯電話をしている場合でも警告を出す。正常な運転じゃないと判断されたら、さらに強い警報を出す。

 参考までに書いておくと、徐々に強くなっていく警報や警告を受けても正常な運転をしないなら(心臓や脳の疾患では目線が確認できない)、クルマが自動でハザードランプを出して徐々に減速して停止し、緊急通報につながります。

 突然の疾病でも停止できるのは何よりありがたいこと。ドライバー監視カメラ、将来に自動車事故をなくそうとなったら真っ先に採用される技術だと思う。この一点だけでもプロパイロット2.0は素晴らしい。

日産アリアの個性的なリアビューは未来的な走りを予感させる

 ナビで目的地を設定した場合は高速道路の分岐などを判断してくれる機能もある。今回目的地にした軽井沢へ向かう途中の「関越道から上信越道へのJCT」でどうかと思ったら、手前で案内出たものの、自動分岐(ハンドルに手を添えてないと稼働しない)してくれなかった。

 なぜなら分岐支援は65km/h以下では作動せず、安全面で担保されているからだ。

 分岐だけでなく先行車に追いついた時の追い越し提案の車線変更も、支援作動スイッチで承認すればウインカー出しまで自動でやってくれるほか、ウインカーでもスイッチの代わりとなる。

 ただし、提案を出した瞬間は車両周囲が安全でも、猛スピードで近寄ってくる追い越し車線のクルマが突如迫ってくれば、すぐに安全でないと判断し、追い越し支援提案を取り下げる。

 また、ドライバーが任意で車線変更支援を作動させようとしても安全でないとクルマが検知した時は支援が作動しないようになっている。

 アリアに乗るとクルマのほうが人間よりも早く正確に安全かどうかを検知していることがわかる。もちろん、リアルな交通の流れのなかでは、ドライバーの操作のほうが素早く、ベテランドライバーなら、経験をもとにスムーズに走れる状況があることも事実だ。

■プロパイロット2.0は渋滞時もハンズオフで快適にドライブ

ハンズオフから遅いクルマの追い越しも可能/システムからモニターに提案が出たら、ハンドルに手を添えて支援作動スイッチを押す。ウインカーが自動で作動し、クルマが車線変更を準備した後、車両が車線変更を開始
自動車専用道路の分岐や出口での車線変更/システムからモニターに提案が出たら、ハンドルに手を添えて支援作動スイッチを押し承認。ドライバーはハンドルに手を添えるだけで、自動でウインカーが出され、いいタイミングで車線変更していく。ただし、車速が65km/h以下になると、安全を考慮して支援が解除される

 高速域でのハンズオフだけでなく素晴らしかったのが渋滞だ。何を隠そう渋滞大嫌い! 週末のドライブだって渋滞情報を横目に、解消するのを確認して移動を始めるほど。けれど1年に3万kmもクルマに乗っていると渋滞に出くわすことも多々ある。

 よって私のクルマはすべてアダプティブクルーズコントロール付き。とはいえ渋滞ではハンドルを操作しなければならないし、1度停車したら発進時にアクセルを踏むか、ボタンを押すかが必要だ。

 プロパイロット2.0なら渋滞時もハンズオフ! 停止したって30秒以内なら先行車に追従して、自動的に発進してくれるから有り難い。

 普通の渋滞なら何も操作することなくハンズオフで通過できる。しかも百発百中と言っていいほどしっかり代行してくれるのだった。渋滞時は疲れにより集中力が低下する人間と違い、常時先行車を判定しているため追突の不安なし。

 参考までに書いておくと、ハンズオフ走行中(青ランプが点く)も道交法により「すぐハンドルを握れる」ようにしておかないとならない。頭の後ろで組んだりすると違反になるので御注意を。

 今回アリアに乗り、軽井沢までプロパイロット2.0を使って走ったところ、驚きがいっぱいだった。

 新幹線でくつろぐのもいいが、アリアのプライベート空間でハンズオフを試しつつSAやPAを自由に立ち寄りながらの移動は、想像していた以上にストレスがなく楽しめた。みなさんもぜひ、お試しください、ハンズオフを!

■アリアの胸のすく加速はライバル以上! プロパイロット2.0との相性も抜群

EVらしい胸のすく加速感という意味でアリアはライバル以上。2トン近いボディに息吹を与える。またワンペダル感覚のドライブも可能だ

 プロパイロット2.0の採用はアリアがスカイラインに続く2車種目。ご存知のとおり電気自動車って巡航速度を抑えれば航続距離が伸びます。90km/hくらいの速度にセットして高速道を走ると、けっこう遠くまでのドライブも途中で充電することなく楽しめてしまう。

 といった意味ではEVの性能を引き出す装備だと私は思う。加えてアリアでの一定速走行は静かで快適! しかも加速も乗り心地も気持ちいい。お好みの音楽を聴きながら、どこまでも走っていきたくなる。

 リーフe+を所有しているけれど(初代リーフを含め3台目です)、アリアに乗ると静かなことに驚く。電気自動車はみんな静かだと思われているけれど、そんなことはありません。平均すればガソリン車より圧倒的に静かだし、リーフも電気自動車のなかで静かな部類ながら、アリアときたら別格。

ヘッドアップディスプレイとアドバンスド・ドライブアシスト・ディスプレイはそれぞれアニメーションで表示され、ハンドルのアイコンでハンドル支援の作動状態がわかる
またハンズオフが可能ならブルー、ハンズオン走行のグリーン、ステアリング制御がないACC状態のホワイトとプロパイロット2.0の走行状態がカラーリングでわかるアドバンスドディスプレイは安心感をもたらす。こちらはハンズオフ可能なブルー表示
ハンズオン走行のグリーン表示
ステアリング制御がないACC状態のホワイト表示

 駆動系の精度が高いため、アクセルのオンオフで素直な点も好ましい。電気自動車を買おうと思っているなら、ぜひ乗り比べてみていただきたい。

 今回試乗したのはアリア標準電池搭載モデルである「B6」。WLTCモードでの航続距離470kmとなる。丁寧に走れば470kmも充分可能ながら(レーシングドライバーが出せるサーキットのラップタイムと同じだと思えばよい)、普通のドライバーなら普通に走って350km以上走れます。

 10年以上電気自動車に乗っている私からすれば、現在乗っているリーフe+(WLTCモードで458km)でも実用上はまったく困らない航続距離だと考える。その上をいくアリアを買ったらロングドライブもチャレンジしたらいかがだろう。

■日本初!!「みちびき」のCLASによってさらに精度を高めた「プロパイロット2.0」

準天頂衛星システム「みちびき」

 日産アリアに搭載されるプロパイロット2.0はカメラやレーダー、ソナーといった360度センシングやインテリジェントインターフェース、3D高精度地図データといったキーとなる技術に加え、日本初となる準天頂衛星システム「みちびき」からの信号、CLAS(シーラス)を受信できるようになった。

 これによって自車位置をより正確に3D高精度地図データ上にマッピングが可能だ。

 GPSの誤差が10~15mなのに対し、みちびきのcm級測位補強サービス(CLAS・日本独自開発)の誤差は50cm以下と圧倒的に精度が高い。

 これによって、衛星だけで自車の車線を特定しマッピングできるようになるなど、こうした日産から生まれる日本初の技術が自動運転時代をぐいぐい引き寄せているのだ。

 アリアのプロパイロット2.0搭載車にはルーフ後端にシャークフィンアンテナがふたつ装着されている。ひとつはラジオのアンテナ用で全車共通だが、ふたつ目はCLAS用のアンテナで、ハンズオフで最先端を走る日産のプロパイロット2.0搭載車であることをさりげなくアピールしている。

■電気自動車の日産アリアはスマートフォンのように充電できる!

夜間に充電しておけば、朝起きてすぐに出かけられる。夜間の安い時間に充電すれば電気代もお得だ

 アリアを夜間に自宅で充電しておけば、朝起きてすぐに出発できる!! もちろん充電は自宅だけでなく、外出先でもOK。日産の販売店や高速道路のサービスエリア、コンビニ、道の駅、商業施設など全国では3万基の充電スタンドが稼働中だ。この数はガソリンスタンドよりも多く、移動先でも自由に充電できる。

 またV2Hを導入すれば、災害時の停電の際でも、アリアから一般家庭数日分の電力供給が可能だから安心だ。

NissanConnectを使えば充電スポットを考慮したドライブルートが作成できる。ドアtoドアナビやタイマー充電、充電スポット満空情報など多彩な機能を得られ、きっと電気自動車のある毎日が楽しくなる。
日産アリア価格表

日産アリアの製品ページはこちらです(リンク)

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