<p>五輪組織委・高橋元理事宅を受託収賄容疑で捜索、関係先として「電通」も…東京地検特捜部</p><p>五輪組織委・高橋元理事宅を受託収賄容疑で捜索、関係先として「電通」も…東京地検特捜部 #社会</p><p>東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の高橋治之元理事(78)が在任中、大会スポンサーだった紳士服大手「AOKIホールディングス」(横浜市)側から4500万円超を受領したとされる疑惑で、東京地検特捜部は26日午前、受託</p><p>収賄容疑で東京都世田谷区にある高橋氏の自宅などの捜索に入った。また、組織委のスポンサー募集を担い、組織委に社員を多く出向させていた大手広告会社「電通」(東京都港区)を同容疑の関係先として捜索した。 組織委理事は「みなし公務員」で、職務に関して金品を受領すれば、刑法の収賄罪に抵触する。特捜部は押収した資料を分析するなどして資金提供の経緯や趣旨の解明を進める。 高橋氏は電通の元専務で、2011年に同社顧問を退任後、14年1月に組織委が設立されると、同6月に理事に就任した。同社は組織委から大会スポンサーの募集を担うマーケティング専任代理店に選定され、社員が組織委に多く出向していた。 関係者によると、高橋氏は、代表を務めるコンサルタント会社「コモンズ」(東京)を通じて、17年秋頃から21年の大会閉幕頃までAOKI側からコンサル料として月100万円、総額で少なくとも計4500万円を受領したとされる。AOKIは18年10月、五輪・パラのスポンサー企業の一つ「オフィシャルサポーター」となり、五輪エンブレム入りのスーツなどの公式ライセンス商品を販売し、計約3万着を売り上げていた。 特捜部は今春以降、AOKIから関係資料の任意提出を受け、青木 拡憲(ひろのり) 前会長(83)ら複数の幹部から事情聴取。青木前会長は高橋氏側に対する資金提供を認めた上で、「高橋さんの人としての力に期待した」などと説明し、別の幹部の一人は「高橋氏からの紹介や助言で、ライセンス商品がスムーズに販売できるようになることを期待した」と供述したという。 特捜部は、コモンズによるAOKI側へのコンサル業務が実態に乏しく、資金提供は賄賂だった疑いがあるとの見方を強め、強制捜査に踏み切ったとみられる。 高橋氏は読売新聞の取材に、コモンズとAOKI側の間の資金のやりとりを認めた上で、「コンサル業務に実態はあり、コモンズとしてスポーツ全般の相談に乗っていた」と説明。「理事の立場で組織委の事業など利害に絡むことは一切していない」と不正への関与を否定している。 AOKIは資金提供などについて「回答を控える」とコメントしていた。</p>