もっと詳しく

<p>米最高裁の中絶権違憲判断、世界はどう受け止めている? – BBCニュース</p><p>BBCニュース – 米最高裁の中絶権違憲判断、世界はどう受け止めている?</p><p>アメリカの連邦最高裁が憲法上の中絶権を覆したことについて、世界はどう反応しているのか。各地のBBC記者が取材した。</p><p>イギリス・北アイルランドで中絶の権利のために闘ってきたアムネスティ・インターナショナルのグレイン・タガート氏は、米最高裁の判決を「恥ずべき決定だ」と言う。 しかし、アイルランド島での中絶合法化に打ちのめされた活動家らは、再び活気を取り戻している。 北アイルランドで最も著名な中絶反対活動家のの1人であるバーニー・スミス氏は、「アイルランドにとってはちょっとした目覚ましだ。アメリカで起きていることには学ぶべきことがたくさんある」と語った。 「個人的な希望としては、私たちもいつかこの法案を覆すことができればと思っている。アメリカの動きはとても賢明だと思う。多くの希望をもたらしており、闘いは続く」 保守派が勢いづくエルサルバドル ――ウィル・グラント記者、BBCニュース(サン・サルバドル) 中南米でも中絶に対する潮目が変わり始めたと感じた矢先に起きたアメリカの最高裁の判断を受け、生殖に関する権利を訴える多くの活動家が、最悪の事態を恐れている。 エルサルバドルでは、母親の命が危険にさらされる場合や、強姦や近親相姦なども含め、あらゆる中絶が禁止されている。同国の中絶権活動を主導しているマリアナ・モイサ氏は、 「エルサルバドルで一貫して女性の権利を否定している、最も保守的なグループが、米最高裁の判断によって勢いづくことになる」と話した。 モイサ氏はまた、「虐待の結果として妊娠した子どもを産まざるを得ない女性や少女の人権を否定すること」は、すでに社会の最貧困層に不釣り合いな影響を及ぼしていると指摘した。 米最高裁が検討したのはあくまでもアメリカ各州の法についてのみだった。それでもアメリカは、中米に大きな影響力を持ち続ける。モイサ氏は、今回の判断が発信するメッセージは恐ろしいものだと話す。 「悲しいことだ。この逆行した一歩は、世界中の女性への蔑視と関心のなさを示すだけのものだ」 「壊滅的な後退」 ――ロビン・レヴィンソン=キング記者、BBCニュース(トロント) カナダは、隣国かつ最大の貿易相手国の事情に首を突っ込むのはあまり好きではない。 しかし米最高裁が「ロー対ウェイド」判決を覆した時、進歩派のジャスティン・トルドー首相は言葉を濁さず、「壊滅的な後退」、「女性にとって恐ろしいこと」だと指摘した。 ルワンダの首都キガリで開催中のイギリス連邦首脳会議に出席しているトルドー首相は、「率直に言って、それはすべての人の自由と権利に対する攻撃だ」と述べた。 カナダでは1983年以降、中絶は非犯罪化されているものの、中絶処置を受ける権利は保障されていない。たとえばニューブランズウィック州には中絶クリニックがない。また多くの農村地帯では、女性が中絶するために何時間も車を走らせなければならない。 カナダにも多くの「プロ・ライフ(生命支持=中絶反対の意味)」派がいる。ただ、南の国境を接するアメリカほど政治化されている問題ではない。 カナダの中絶反対団体「ライトナウ」はツイッターで、「アメリカの友人たちにとって本当に歴史的な日だ」と、最高裁の判断を歓迎した。 「アメリカは世界の模範」 ――</p>