アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルはモントリオールで行われたF1第9戦カナダGPに、『タールサンドの採掘をやめろ』というメッセージとパイプラインの写真が印刷されたTシャツを着て到着し、トラブルに見舞われることになった。ベッテルのヘルメットには、『カナダの気候犯罪』とのメッセージもあった。
どちらのメッセージも、アルバータ州での採掘事業への意識を高める目的があった。
「アルバータ州で起きていることは犯罪だ。多くの木を切り倒し、基本的には石油を採掘するためにその場所を破壊しているんだ。タールサンドやオイルサンドを採掘するやり方は、自然にとってひどいものだ。カナダの温室効果ガス排出量も、採掘が始まって以来明らかに増加している」とベッテルは説明した。
「首相は、こうした資源を見つけて採掘しない国はないと言っていたと思う。原則としてすべての国と人が独自の意見と態度を持っていると思う。僕の個人的な意見では、反対ということだ。化石燃料は終わりを迎え、僕たちが生きている時代にはもう使うべきではないということについては、科学が多くのことを示している。そうなってはいけないんだ。カナダや世界中の多くの人々がそのことを知らないと思う。将来の世代と、彼らが十分成長し引き継いで世話ができるようになったら手渡すこの世界のことを、考えるだけのことだ。世界を破壊せずに労わることは、まったく公正なことだと思う」
ベッテルのキャンペーンは、アルバータ州のエネルギー相ソニア・サベージにとって納得のいくものではなかった。
「私は何年にもわたって多くの偽善を目にしてきましたが、これは最もひどいものです。サウジアラムコから資金提供を受けているアストンマーティンの支援を受けるレーシングカードライバーが、オイルサンドについて不満を述べているというのです。サウジアラムコは世界のすべての企業のなかで、1日あたり最大量の石油を生産しています」とサベージはソーシャルメディアに投稿した。