もっと詳しく

<p>「ゼノブレイド3」レビュー ただ戦うためだけに10年間という限られた時間を生きる命を巡る物語に魅せられる</p><p>「ゼノブレイド3」レビュー ただ戦うためだけに10年間という限られた時間を生きる命を巡る物語に魅せられる #ゼノブレイド3</p><p>7月29日に発売されるNintendo Switch用RPG「ゼノブレイド3」。本作は、開発をモノリスソフトが担当しており、「ゼノブレイド」と「ゼノブレイド2」をつなぐ物語になる。</p><p>もちろん、物語は大事だ。RPGの中心の一画ではある。だが、ゲーム中で最も触れている時間が長いのは、大抵物語ではない。大概のゲームはバトルをしている時間のほうが長いはずだ。だからこそ、RPGの真の中心となるのはバトルであると考える。 ……しかし、「ゼノブレイド」シリーズのバトルは、全体的に難易度が高めである。バトルシステムを掴むまでに数十時間かかってしまう、なんていうこともザラにある。バトルシステムの本質を掴み切れないままなんとなくプレイを進めてしまっていることもあるだろう。だが、本作のバトルはそんな「ゼノブレイド」シリーズの中ではかなり難易度が低い。 今回触れることが出来た部分でのみの話とはなるが、基本的にはオートアタックでの攻撃が主体となり、技となるアーツはX、Y、Bボタンのそれぞれ割り当てられたボタンでリキャストが回るごとに使用できる(「ゼノブレイド2」とほぼ同様)。序盤のうちはほぼ何も考えず、リキャストが回るたびにアーツを使用していけば問題ない。 ただし、アーツにはエネミーとの位置関係で効果が変わるものがある。アーツに「背面」、「側面」などと書いてある場合は、仲間のディフェンダーキャラクターが敵視を引き付けている間に指定方向に位置取ってからアーツを使うといい。例えば「側面ブレイク」という効果が書かれているアーツなら、側面から撃つことで敵をブレイクすることができる。 ノアのソードストライクは”側面ブレイク”、スラストエッジは”背面特攻” アーツにはコンボがあり、ブレイク→ダウン→スタン→バーストと4種類までつなげることができるものの、序盤のうちは自身で出せるのはこのなかのひとつくらいだ。例えば自分がブレイク効果のアーツを持っているならば、ダウン効果のアーツはAIで動いている仲間キャラクターに任せる、というような形になる。逆に仲間がブレイクを持っているのならば、仲間がブレイクさせたら自分はダウンを入れる、なども可能だ。 この時のノアは自身のクラスがディフェンダーなため、主にヘイト管理が主な役割となり、仲間がスタンまで入れてくれている。仲間のAIもなかなか優秀だ もっと上級テクニックになってくると、バトル中に操作キャラクターを切り替え、ブレイクを使わせたらダウンのキャラクターに切り替え、ダウンさせたらスタンのキャラクターに切り替える……といったこともできなくもないのだが、これは相当な手練れのテクニックとなるため、序盤ではよほどバトルに自信のある人以外は意識しなくていいように感じた。 このような様々なバトルテクニックは、ゲームを進めていくと少しずつ解放されていく。できればチュートリアルで示されたことはできるだけきちんと覚えてからストーリーを進めて、次のチュートリアルを見るようにしていくといい。 というのも、これはバトルのほんの基本の基本であり、まだまだ解放されていく要素はたくさんある。1つのシステムを覚える前に次の項目を詰め込まれていくと、どんどん訳がついていけなくなる可能性があるからだ。 ただ、それでもシリーズの中ではバトルは簡単なほうである。難しいことをやろうとさえしなければ、これまで「ゼノブレイド」シリーズを全く遊んだことがない人でも、すぐにバトルシステムに慣れるだろう。 アーツコンボはバーストの先、敵を空中に打ち上げる”ライジング”などもある。だが、序盤は「そこまで出ればラッキー」くらいの感覚で充分だ 他の大きな要素のひとつは、キャラクターがふたりで融合して“ウロボロス”化する「インタリンク」。インタリンク中はウロボロスアーツが無限に使用できるが、時間経過でヒートゲージが上昇し、ヒートゲージが上がり切ると強制的にインタリンクが解除される。インタリンクは一度解除されるとヒートゲージが再び0になるまでインタリンクができなくなるので、どのタイミングでウロボロス化するかというのは非常に重要な要素となる。 ストーリーが進めばインタリンクが解放され、いつでも自由にインタリンクできるようになる。ノアとミオ、ユーニとタイオン、ランツとセナでそれぞれインタリンクが可能で、AIで動いている仲間は放っておいても適当なタイミングでインタリンクして戦ってくれる もうひとつの要素はチェインアタック。チェインゲージが満タンになると使える連続攻撃だ。まずは最初にランダムに選ばれた3名からオーダーをするキャラクターを決定する。そしてパーティメンバーを選んでアーツ攻撃をすると、キャラクターごとに異なるタクティカルポイント(TP)を獲得できる。TPを100%以上にするとオーダー成功となり、最初に選んだキャラクターが強力な攻撃を与えて、チェインアタックの1セットが終了。オーダーの評価に応じて行動済みのパーティメンバーが復活し、チェインゲージが残っている限りは次のオーダーを選択して同じようにチェインアタックを繰り返し発動することができるのだ。 オーダーをするキャラクターによって、一部ロールのヘイトが減少、敵の防御力を一定確率で無視など、様々な効果がある。画面下部は選んだパーティメンバーが得られるTPの最低値。実際にはTPボーナスが乗るため、この値よりも大きなTPが得られる ボーナスTPは様々な条件で乗っていくので、まずは色々試してみるのがいい。チェインゲージさえ満タンになればボスなどの敵以外でも発動できるので、とにかく試行錯誤の繰り返しだ TPが100%を超えると、オーダーしたキャラクターが必殺の一撃を繰り出して、チェインアタック1巡目が終了する。この時右下のチェインゲージがまだ2/3ほど余っているので、ノアのブレイブアサルトが終わると2巡目のチェインアタックに入る ゲームが進行すると、インタリンク中のチェインオーダーも可能になる。インタリンク中だけのチェインオーダーには通常のチェインオーダーとは違う特殊効果があるので、そちらはゲームを進めていきながら確認してほしい なお、バトルの要素はこれでもまだ半分程度しか紹介しきれていないということは伝えておきたい。バトルとは少々異なるが、本作の成長要素やアーツの設定といったことも絡めていったり、仲間への指示なども絡めていくと、本作のバトルでやれることがどれだけ多いか、その片鱗は伝わるだろう。 シリーズ経験者であれば「相変わらずだな、それでも確かに簡単になっているかな」で済ませられるのだが、シリーズ未経験者であれば頭にハテナマークが浮かんでいても何ら不思議ではない。だが、これが「ゼノブレイド」シリーズである。 ZL+方向キーで仲間に作戦を指示できる。リーダーが攻撃している敵を集中攻撃したり、「集合」、「解散」などもある。回復アーツは効果範囲が限られているため、HPが減っているキャラクターが増えてきたらあえて集合させて回復アーツを使用してから再び解散させて戦わせる、といった戦術も取れる。 バトルは6名+ヒーローと呼ばれる助っ人的なNPC1名の最大7名でのバトルになるため、どうしても画面がごちゃつきがちだ。敵視もブレやすく、きちんと背面を取ったつもりがアーツを撃とうとしたら敵視がズレて側面になってしまった、ということも多々ある。だが、6名全員がインタリンクをすると実質3名+ヒーロー1名となるので、インタリンクは積極的に使っていくのが良さそうだ。 6名がインタリンク、ヒーローがひとりの状態。 6名がそれぞれ戦いつつ、ヒーローがひとりの状態。敵も複数体いるため、敵視のラインなども含めて大分ゴチャゴチャしている感じがある。 「ゼノブレイド」シリーズはシンボルエンカウントだが、敵のシンボルの数が“異常に“多い。他のRPGと比較しても、3〜4倍以上のシンボルが配置されているといっていいだろう。しかも敵がいない小休憩的なエリアも、ほぼないと言っていい。慣れていない人ほど「全部を倒そう」としてしまうと思うのだが、「ゼノブレイド」シリーズのバトルは“全てこなすものではない”ということを覚えておいてほしい。 ならばどの敵と戦うのかというと、まず最初は敵の頭上にあるレベルが書かれているプレートがキラキラしている敵(ラッキー)だ。この敵はレア素材をドロップすることが多いので、倒しておくといい。次はプレートに青い羽根のようなマークがついている敵(エリート)。エリートは同じレベルでも他の敵よりも少々強い。倒すと「撃破」マークが表示されるが、すぐリポップする。経験値稼ぎにはちょうどいいのが、この青い羽根マークの敵だ。 そして、さらに豪華な黄金のような羽根のマークがついている敵が、固有の名前をもつ”ユニーク”と呼ばれるモンスターだ。同じレベルでもかなりの強敵で、ユニークは倒すとその場に墓石が残り、基本的にフィールドには復活しなくなる。だが、その墓石を調べると再び戦うことができる。 相手にするのは、基本的にこのラッキー、エリート、ユニークの基本3種類だけでいい。</p>