<p>藤井聡太は好奇心と負けず嫌いが表裏一体 北村義浩</p><p>藤井聡太は好奇心と負けず嫌いが表裏一体 北村義浩 藤井さんの強さはずばり終盤力。正解にたどり着くスピードと正確さが他を圧倒している。では序盤や中盤はというと、悪手を指すことがほとんどない。</p><p>将棋歴約５０年で段位はアマ八段。毎日５時間ほどネットで対局を観戦し、最近は女流棋士の対局にも注目している。</p><p>藤井さんの強さはずばり終盤力。正解にたどり着くスピードと正確さが他を圧倒している。では序盤や中盤はというと、悪手を指すことがほとんどない。羽生善治さんは「羽生マジック」と呼ばれる終盤の逆転劇が素晴らしいが、藤井さんは劣勢で終盤を迎えることが少ない。終盤に圧倒的な時間の優位性を持っていないかぎり、藤井さんには勝てないだろう。 私は若いとき、ウイルス学の研究者だった。医学の最先端を研究しようと思えば、まず、過去の膨大なデータを解析することから始めなくてはいけない。将棋も同じだ。藤井さんは過去のデータを収集して今に生かしている。将棋の知識を全部頭の中に入れて、古いものの上に新しいものを乗せる行為を大々的に行っている。 特集・連載：</p>