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<p>サウジ通貨庁が銀行に約1兆8000億円注入、流動性不足緩和で-関係者</p><p>サウジ通貨庁が銀行に約1兆8000億円注入、流動性不足緩和で-関係者</p><p>サウジアラビア通貨庁(SAMA、中央銀行)は、約500億リヤル(約1兆8000億円)の定期預金の形で国内金融機関に流動性を注入した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。この10年余りで最悪の流動性不足を緩和することが狙い。</p><p>今回の介入は米連邦準備制度による今月の利上げ直前に開始。ローン金利を設定する際のベンチマークとして使われる3カ月物サウジ銀行間金利(SAIBOR)を下回るレートで提供した。情報の非公開を理由に同関係者が匿名で語った。 SAMAにコメントを求めたが、現時点で返答はない。 SAIBORが示す流動性状況は、2008年後半以降で最もタイトなことを示す。当時、原油価格は1バレル=40ドルを割り込んでいた。サウジの銀行が直面している資金調達のストレスは、原油相場の急落時や2008-09年の信用収縮による世界危機をなどを除き、ほとんど前例がない。 当時とは対照的に、サウジ政府は今年、原油高や増産による歳入増で約10年ぶりに財政黒字を達成する方向にある。 同関係者によれば、SAMAによる資金注入はこれまでに少なくとも3つの個別トランシュを通じて行われ、1回目と2回目は各150億リヤル前後の3カ月物預金から成った。それより短いものと長いものを含め、この数日間で少なくとももう1回行ったという。     資金注入の効果は既に表れており、ブルームバーグ集計のデータによれば、26日のSAIBORは3.13%と、24日の水準から約17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下がった。この1カ月余りで最大の低下となった。 サウジ政府は巨大プロジェクトに資本を振り向けることを目指しており、銀行の流動性確保のコストが押し上げられ、経済に影響するとの懸念が強まっている。SAMAは最近、資金調達面の制約を緩めるためレポ期間を最長4週間から13週間に延長した。 原題:</p>