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 6月26日、2022年MotoGP第11戦オランダGP Moto2クラスの決勝がオランダのTT・サーキット・アッセンで行われ、小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)は一時17番手までポジションを落とすが2位表彰台を獲得した。

 ドライコンディションでスタートした決勝レースで小椋は4番手からスタートすると、2周目には5番手を走行中に11コーナーでリヤを滑らせて9番手、さらに翌周3コーナーでも体制を崩してしまい17番手までポジションを落とした。

 そこから小椋は驚異の追い上げを見せ、ポジションを挽回していく。前車の転倒などもあったが、レース折り返しの時点で9番手に浮上すると、ジョー・ロバーツ(Italtrans Racing Team)と抜きつ抜かれつのバトルを展開する。そのなか、前を走るポイントリーダーのセレスティーノ・ビエッティ(Mooney VR46 Racing Team)とのギャップは0.907秒まで広がってしまう。しかし早々にロバーツの前に出た小椋は、ビエッティとのギャップを詰めて16周目に仕留めると、さらにペースを上げて7台のトップ集団の背後に迫る。

Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2022MotoGP第11戦オランダGP
Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2022MotoGP第11戦オランダGP

 トップ集団に追いつくと小椋の勢いはさらに加速し17周目で6番手、19周目に5番手と周回を重ねるごとに着実にポジションを上げていく。残り3周で第2集団のトップに立ち、2番手まで上り詰めるとトップを走るアウグスト・フェルナンデス(Red Bull KTM Ajo)を追う。しかしラストスパートをかけるアウグスト・フェルナンデスに0.6秒ほどのギャップを築かれてしまい、あと一歩届かず2位でチェッカーを受けた。

 小椋は第6戦スペインGPではポール・トゥ・ウインを達成しキャリア初優勝も飾るなど、前半戦11戦中5度の表彰台を獲得している。表彰台を逃したレースでも、第5戦以外は全てポイントを獲得し、現在ビエッティとアウグスト・フェルナンデスの同率1位に続き、1ポイント差で3位につけている。

 前半戦の最後となる今大会で劇的な追い上げを見せ、2位表彰台を勝ち取ったことでトップのふたりにランキング1ポイント差まで詰め寄り、チャンピオン争いに大きく一歩前進し最高の形で終えた小椋。ここから約一カ月のサマーブレイクを挟むことになるが、今後どのようなバトルを繰り広げ、チャンピオン争いを展開していくのか後半戦も目が離せない。

■IDEMITSU Honda Team Asia
小椋藍(決勝:2位)

「今回のレースはちょっと不思議な感じでした。序盤はポジションもタイムもかなり落としてしまいました。タフなレースでしたが、最後には速く走る方法を見つけ、ポジションを回復することができました」

「このことには満足していますが、反対に最初の数周は満足のいくものではなく、がっかりしました。しかしサマーブレイク前に表彰台に上がれたことはとても嬉しいことです」

■青山博一(チーム監督)
「アッセンでの24周に渡るエキサイティングなレースでした。小椋選手とチャントラ選手は非常に良いスタートを切りましたが、両ライダーともにリヤグリップの不足に悩まされ、早々にポジションをおとしてしまいました。小椋選手はタイヤのマネージが容易ではありませんでしたが、最終的にペースを取り戻し、多くのライダーを捉え、フェルナンデスと僅差で2位表彰台を獲得しました」

「チャントラ選手も苦戦したものの、ポイント獲得を諦めること無く13位でフィニッシュしました。サマーブレイクを前に改めて、両選手、チームスタッフ、出光を始めその他のスポンサーに感謝いたします」

Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2022MotoGP第11戦オランダGP
Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2022MotoGP第11戦オランダGP
Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2022MotoGP第11戦オランダGP
Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2022MotoGP第11戦オランダGP
Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2022MotoGP第11戦オランダGP
Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2022MotoGP第11戦オランダGP