F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、現在、2023年カレンダーの作成という困難な作業に取り組んでいる。今年は22戦が開催されるが、新たなレースとしてラスベガスが加わり、中国とカタールが復帰し、南アフリカのキャラミの復活も噂される2023年のカレンダーは、史上最多の24戦から成ると考えられており、25戦で構成される可能性もある。
「我々はまだ、来季カレンダーの草案を見ていない」とウイリアムズF1チーム代表のヨースト・カピートは明かしている。彼は、昔からレースを行っている伝統的なサーキットと、ヨーロッパ以外の新たな国々でのサーキットのバランスを取ってカレンダーが作成されることを望んでいる。
「多くの国がレース開催を望んでおり、エキサイティングな新レースもたくさんある。今後、新しいトラックと伝統的なトラックの正しいバランスをどのように取っていくのかを見ていくことになる。その点で我々はステファノを信頼している。彼はバランスの取れたカレンダーを提示してくれるはずだ」
アルピーヌF1チーム代表のオットマー・サフナウアーは「ステファノとF1はカレンダーに関して良い仕事をしている。どこに行っても、大勢のファンがいて、チケットが完売している」と語った。
「需要があるのなら、どこへ行くかはステファノに任せることになると思う」
マクラーレンのチーフエグゼクティブ、ザク・ブラウンは、レース開催数を増やす場合、連戦中の移動距離を減らすなど、ロジスティクスや経済面に考慮した構成がなされることを求めている。
「我々は、グランプリを開催したい国がカレンダーに組み込める数よりも多いという贅沢な悩みを抱えている。うれしい悩みだ」
「我々全員が、ステファノに絶大な信頼を寄せている。最終的には彼が、物流や経済などカレンダーの構成に関わってくるすべての要素を考慮した上で、ファンやチーム、持続可能性にとって最適なカレンダーを組んでくれるだろうとね」
ドメニカリは、すでに確立された伝統あるレースと新しい会場とのバランスを取るというデリケートな作業を行い、2023年のカレンダーを作成しなければならない。一方、アルファタウリF1チーム代表のフランツ・トストは、カレンダーに入れるか入れないかを決めるのは金銭面の条件のみであると主張している。
「我々にとってレースはビジネスだ。つまり、レースが多ければ多いほどいい。収入が増えるのだからね。だから24戦になることを私は楽しみにしている」とトストは語った。
南アフリカでのグランプリが復活する可能性がある一方で、スパ・フランコルシャンなど、ヨーロッパの伝統的なコースでのグランプリがローテーションシステムでの継続を強いられる可能性があることについて意見を聞かれたトストは、「南アフリカに行くことを、私は非常に楽しみにしている。あそこでレースをするのは本当に重要なことだ」と答えた。
「他のレースに関しては、具体的な名前は出したくないが、非常に簡単なことだ。金がないのであれば、レースもなしだ。我々は、金があるところには行く。金がないところには行くことはない」