AMDとNVIDIA、そろそろ値下げの時期か
GPUの価格が急速に低下する中、3DCenterは公式の希望小売価格とグラフィックカードの実際の性能を比較することを思いつきました。
これは、各カードがその性能だけで、どれくらいの価格になるべきかを洞察するものである。
価格対性能の値は、3DCenterの4Kインデックス、長いレビューのリストに基づいた綿密に収集されたデータによって計算されています。
グラフィックスカードが安価になり、複数のチャネルで入手できるようになったため、多くの異なるカスタムモデルから選択したり、他のブランドとの競合を検討したりすることができるようになりました。
特に、ここ数週間、いち早く大幅な値下がりを見せたカードであるハイエンドモデルについては、その傾向が顕著です。
また、主に2021年に発売された多くのカードが、当初から高値で取引されていたことは周知の事実です。
AMDとNVIDIAの両社は、それらのカードがいずれにせよ低価格では決して売れないため、大きく膨れ上がった希望小売価格を選択しました。
しかし、そろそろ両社とも、実際の性能に見合った価格でなくなってきていることに気づくべきでしょう。
RTX 3070を基準点とした3DCenterの計算によると、NVIDIAのハイエンドモデルのほとんどは高値で、もっと安くなるはずです。
しかし、NVIDIAのラインナップのうち、ミドルレンジとローエンドのモデルは、価格相応といえる。
特にRTX 3060 Tiのモデルは、コスト以上の性能を発揮する。
多くのボードパートナーが何カ月も3060 Tiの在庫を持たなかったのもそのためで、単純に価格に対して性能が高すぎ、ボードパートナーはその代わりにもっと高価なSKUを簡単に販売することができたのです。
実際、GPU市場の状況は大きく変化しており、NVIDIAはもうRTX 3080の12GBモデルをボードパートナーに出荷していないと思われる。
リーク者のMEGAsizeGPUが述べた理由は、RTX 3080 Tiと比較してのその価格です。
NVIDIAは3080 12GBの希望小売価格を公に確認したことはないが。
nope,only 3080 12G is been stop produced. After the dramatic price drop of 3080Ti, 3080 12G now has the same price as 3080Ti and that’s why Nvidia decides to stop sending 3080 12G chips to the AIC.
— MEGAsizeGPU (@Zed__Wang) June 26, 2022
RTX 3090シリーズは、全体の比較で最も価格の低いカードの一つです。両カードとも小売価格は1000米ドル以上だが、実際の価格はその値を下回るはずだ。
しかし、RTX 3080 Ti以下は、実際には「適正価格」指数の10%以内であり、ほとんどの場合、小さな値上げか、希望小売価格とカードの性能の完璧な(100%)バランスを意味します(ただし、これはRTX 3070に関連していることを忘れないでください)。
NVIDIA GeForce RTX 30 メーカー希望小売価格と “適正価格 “の比較
希望小売価格 | 4Kにおける 性能指数 |
性能/ 小売価格 |
適正価格 | |
GeForce RTX 3090 Ti |
$1999 | 408% | 41% | $814 |
GeForce RTX 3090 |
$1499 | 376% | 50% | $750 |
GeForce RTX 3080 Ti |
$1199 | 366% | 61% | $731 |
GeForce RTX 3080 12GB |
? | ~344% | – | $687 |
GeForce RTX 3080 10GB |
$699 | 330% | 94% | $659 |
GeForce RTX 3070 Ti |
$599 | 271% | 90% | $541 |
GeForce RTX 3070 |
$499 | 250% | 100% | $499 |
GeForce RTX 3060 Ti |
$399 | 217% | 109% | $433 |
GeForce RTX 3060 |
$329 | 165% | 100% | $329 |
GeForce RTX 3050 |
$249 | ~114% | 91% | $228 |
GeForce RTX 3070を元に性能/価格を標準化し、”適正な定価 “から算出
AMD Radeon RX 6000シリーズでは、RX 6800と6800無印モデルが性能を考慮したベストプライスモデルと思われる。
RDNA2の膨れ上がった希望小売価格は、特にスタックの真ん中あたりは「Fair Price」指数からそれほど離れていないのですが。
エンスージアストモデルやローエンドモデルではそうはいきません。
RX 6950XTは、この分析に基づいて735USDであるべきであり、RX 6400は107USDレベルまで下がるはずです。
性能だけが常に考慮されるべきものではないことを忘れてはならない。
特に、高度に洗練されたボード設計、大規模な冷却ソリューション、その他の機能を備えたフラッグシップカードには、それが当てはまります。
そのため、フレームレートだけでは計算できないコストがボードパートナーにかかるのは確かだ。
AMD Radeon RX 6000 メーカー希望小売価格と “適正価格 “の比較
希望小売価格 | 4Kにおける 性能指数 |
性能/ 小売価格 |
適正価格 | |
Radeon RX 6950 XT |
$1099 | 368% | 67% | $735 |
Radeon RX 6900 XT |
$999 | 348% | 70% | $695 |
Radeon RX 6800 XT |
$649 | 322% | 99% | $643 |
Radeon RX 6800 |
$579 | 278% | 96% | $555 |
Radeon RX 6750 XT |
$549 | 234% | 85% | $467 |
Radeon RX 6700 XT |
$479 | 221% | 92% | $441 |
Radeon RX 6650 XT |
$399 | 167% | 84% | $333 |
Radeon RX 6600 XT |
$379 | 159% | 84% | $317 |
Radeon RX 6600 |
$329 | ~134% | 81% | $267 |
Radeon RX 6500 XT |
$199 | (~71%) | 71% | $140 |
Radeon RX 6400 |
$159 | (~54%) | 67% | $107 |
“適正な定価 “から導き出されたGeForce RTX 3070に標準化された性能/価格
Radeon RX 6400 & 6500 XTのFullHD性能とRadeon RX 6600との乖離から算出した性能値
ひとつだけ確かなことは、GPUの値下げがこれまで以上に期待されることだ。
残念ながらAMDもNVIDIAも公式には準備していませんが、ボードパートナーは近々そのような発表があることを切に待っています。
RTX 30/RX6000カードの大量在庫はもはや誰の驚きでもないため、ゲーマーの関心が次世代に移る前に、小売業者が現行世代のカードの大半を販売できるのは3カ月しかないことになりますが、時間は刻々と過ぎています。
ソース:Videocardz.com – This is how much graphics cards should cost based on their performance alone
解説:
GPUの適正価格とはいったいいくらなのか?
と言う興味深い話が海外で出ておりましたので、取り上げてみます。
元記事の場合、RTX3070の4K性能を指数化し、価格で割ったものを100%として「適正価格」を算出しています。
また、下位のモデルはRX6500XTやRX6400をRX6600と比較して算出しているようです。
そこから計算するとGeforceの場合、上位のモデルほど割高になっており、Radeonは全体的に割高になっています。
特に最上位プレミアが付くRTX3090/Tiは適正価格の3倍以上、RX6900XT/RX6950XTは適正価格の1.3倍くらいの価格で売られているということになります。
誤解しないで欲しいのは・・・・
これは行き過ぎた価格を諫めるための記事であり、実際にフラッグシップモデルには強大な電源に関わる設計や冷却システムなど過剰なコストがかかっているということです。
今一つ私の方からも上の算出方法が乱暴な理論であることの一つの例を挙げておきます。
半導体の動作特性と言うものは一つのウェハから取れるチップ全てで同じではありません。
縦軸を動作するチップの割合、横軸を動作クロックとした場合、上のような反比例のグラフになります。
少し単純化しすぎですが、GA102のは愛、どんなに頑張ってもRTX3080としてしか動作しないチップも一定数存在しており、ウェハから取れるチップ全てが同じ価値ではないということになります。
もちろん全く動作しない不良なチップもあるでしょう。
全体の製造コストととれる割合によってもチップの価値と言うのは変わるべきだと思います。
当然ですが、製造にかかるコストによって適正な価格と言うのも変わってきます。
性能と言うのは分かりやすい指標ではありますが、それが全てではないという一つの例として頭に入れておいてください。
なぜGPUは高くなりすぎてしまったのか?
では、なぜGPUは高くなりすぎてしまったのでしょうか?
当サイトでも何度も取り上げていますが、それはマイニングとゲーム用途と言う用途の違いによります。
マイニング全盛期はマイニング利用して概ね1年で回収できる価格を元に販売価格が決まっていたように思います。
※ 最もざっくりした感覚なので、必ずそうだと決まっていたわけではありません。マイニング需要が一番加熱していた時はもっと高かったように思います。
機械的に1年以内にペイする金額なら出すという風にマイナー同士でも札束で殴り合っていたわけですから、LHR搭載GPUが最初にできたときは、発売日に何故か中古が店頭に並んだりしました。
これは、マイナーが店から発売日の前に希望小売価格より高い金額で、店頭に並ぶ前に品物を持って行っていたということです。
少なくともその実態が明らかになりました。
これは私もカチンと来ましたし、マイナーに対する見方が変わった瞬間です。
彼らの言う「GPUは金融商品」と言うのはGPUをずっと回して入る金があるんだから、損益分岐ラインを自分たちで決めて、価格を決定するのは自由と言う意味です。
当然のことながら、仮想通貨の相場が今のように下落するとこの計算は崩れます。
ペイしなければ売りに出されて相場は一気に崩壊します。
これが今の状態です。
ゲーマーから見たら、昔から趣味で使っているGPUを全く別の用途に使う門外漢が勝手に価格を吊り上げてかっさらっていったという風に見えるはずですし、私にもそのように見えました。
これに対して我々ゲーマーはマイナーはもちろんのこと、メーカーや流通に対してももっともっと厳しい目を向けるべきだと思います。
少し話がそれましたが、これがGPUが高くなったおおよそのメカニズムと言うことになります。
ゲーマーから見たGPUと言うのはゲームの性能が全てであり、特に中古で出回るものに関しては、マイニングで吊り上がった価格は到底容認できない金額で、もっと値下がりを期待してよいのではないかと思います。
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