先日、Qualcommは「Wireless AR Smart Viewer」の開発者向けモデルを発表しました。このデバイスは、次世代のARデバイスがどのような見た目になるのか、Snapdragon XR2というプラットフォームで何が出来るのかを示すために作られました。
技術的な基準になるデバイスとしては、美しく非常に機能的です。少なくとも、5台の外部モニターと置き換えることが出来るLenovoの「ThinkReality A3」と同様の機能を備えています。
しかし、このWireless AR Smart Viewerは有線接続無しにそれを実行出来るので、さらに軽くなります。前モデルよりも40%薄い本体側面と、2枚の1080pディスプレイによって、軽量ながらも素晴らしいAR体験を実現しています。
実際に試してみたところ、ヘッドセットの重量やサイズ感で気が散ってしまう従来のAR体験とはかけ離れた世界を見ることが出来ました。
それは、まるでスポーツサングラスをかけているような感覚で、ARメガネとポケットの中のスマートフォンを繋ぐコードが無いことで、これまでにないほどの自由度でした。
Qualcommは、ARにおける主要な問題を正しく特定し、コンピューターと通信を上手く組み合わせた自社のエコシステムを利用して、問題を解決しようと積極的に取り組んでいます。
このデバイスに埋め込まれた電子機器がセンサーデータをまとめ、Wi-Fi 6E(Qualcomm FastConnect 6900)とBluetooth 5.3を介して通信を行います。一方、スマートフォンはデータを受信すると、20msのMotion to Photon(ユーザーの動作が画面に反映されるまでの遅延時間を指す性能)で、3DやAI、ビデオエンコードといった高度な演算を実行する、とQualcommは説明しています。このARメガネは、スマートフォンから送信されたビデオデータをデコードし、フレーム毎に同じ処理が繰り返されます。
専用のWiFi帯域で通信が行われるので、ARメガネとスマートフォンの通信によってWiFi回線が占有されることはありません。ちなみに、搭載されている650mAhのバッテリーによって30分間の連続使用が可能で、USB-Cケーブルから電源を供給することも出来ます。
このような設計を実現することは、ARメガネのマスマーケットへの採用に向けた重要な1歩となります。ウェアラブルテクノロジーで最も重要なのは、人々が”それを着用する”という段階まで導くことです。従来の製品は、単純に大きくかさばる物が多かったということです。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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