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<p>トランプ氏のワシントン再訪で分かったこと 退任後初 – BBCニュース</p><p>BBCニュース – トランプ氏のワシントン再訪で分かったこと 退任後初</p><p>ドナルド・トランプ前米大統領が26日、首都ワシントンに戻った。退任以降初のワシントン訪問で演説したその内容から、何が分かったのかを解説する。</p><p>トランプ氏は常に、「犯罪には強硬に」というレトリックを多用してきた。しかし、在任中最大の超党派的な政策課題上の成果が、司法制度改革かもしれないのは皮肉だ。トランプ政権のこの制度改革によって、何千人もの受刑者が早期に釈放されたほか、連邦法にもとづく量刑基準が見直された。 演説原稿から離れて 演説の前半はこうして犯罪に焦点を当てていた。7項目の政策案を説明するその口調は単調で、まるで自分自身の言葉に退屈しているかのようだった。これは、決められた台本通りのトランプ氏で、熱気あふれる支持者集会で、何も見ずにその場の勢いでまくしたてるトランプ氏とは違った。 続いて、トランスジェンダーの選手が女子スポーツに出場できるようになったのは問題だと不満を述べると、聴衆は大きな歓声を上げた。この日最大の歓声の一つだった。 「そんなことは言わないように。議論になるので」と側近に助言されたのだと、トランプ氏は明かした。「だからどこにも書いてない。いま自然と口にしただけだ」。 ここからトランプ氏は一気に、いつもの調子を取り戻した。 いわく、全米プロバスケットボール協会(NBA)のスター選手レブロン・ジェイムズ氏が参加する女子バスケットボールチームを立ち上げたいと。 さらに、バイデン大統領の移民政策を批判し、「中国ウイルス」を批判した。さらに、大統領として自分は、政府の感染症専門家アンソニー・ファウチ博士に何か提言されると、すべてその逆を実行したのだと強調した。これぞトランプ流だった。自分本来の場所で、思うがままに自由自在に弁舌をふるっていた。 次の大統領選に目配せか このほかいくつか、政策提言を並べた後(インフレ抑制、親権強化、連邦政府高官の解任の簡易化、表現の自由の回復、製造業の雇用回復、福祉改革など)、トランプ氏はお気に入りの話題に戻った。つまり、2020年大統領選の結果について文句を言い始めた。 「自分は2度目も勝った。2度目の方がずっと成績は良かった」と、再選を目指した2020年の選挙についてトランプ氏は述べた。「ずっと良かった。ひどい不正だ。うちは何百万も、向こうより何百万も票をとったのに。もう何年も語り草になるよ、なんてひどい話だ」。 「自分ほど迫害された大統領はほかにいない」とも、トランプ氏は不満を口にした。2度も弾劾されたこと、そして連邦議会襲撃事件を調べる下院の1月6日調査委員会が進行していることについても。襲撃前に、自分の応援集会から議事堂へと向かった自分の支持者たちを擁護し、その多くは不当に起訴され、「拷問され、ひどい扱いを受けている」とも述べた。 「何かが起きなくては」と、トランプ氏は発言した。「みんなこの先、もうこれ以上は我慢しなくなる」。 トランプ氏のこの演説に先立ち同日、トランプ氏と共に2020年選挙を戦ったマイク・ペンス前副大統領が、やはりワシントンで演説した。その際、「共和党内に分断があるのか」、「自分とトランプ氏の間に線を引こうとしているのか」と尋ねられると、ペンス氏は明確な答えを避けた。 「私たちの運動がそれほど分裂しているとは思わない」とペンス氏は述べた。「政策課題について、大統領(トランプ氏)と私の意見が食い違っているとも思わない。ただし、何を重視するかは違うかもしれない。選挙は未来に関するものだと、私は心から信じている。そして、あまりに多くのアメリカ人が傷つき、多くの家族が苦しんでいる今、過去を振り返りたくなる誘惑に負けないことが、絶対に必要だ」。 明らかにペンス氏自身も、2024年を見据えて野心を抱いている。それだけに、トランプ氏が過去の敗北にこだわり続けているのを、自分にとっての機会と捉えているようだ。「未来に集中しよう」というスローガンを、ペンス氏は全米各地でさまざまな形で繰り返している。そうやって、大統領選出馬の可能性を探りながら、下地を作っているのだ。 しかし、前副大統領が2024年の選挙でホワイトハウス入りしようと望むなら、その前に元上司のトランプ氏との対決が待っているかもしれない。 トランプ氏は大統領選への出馬について、「もう一度やるしかないかもしれない」と述べた。「おかしくなったこの国を、元に戻さないとならないかもしれない」と。 演説の最中に聴衆は、「もう4年」と声をそろえた。 「でもそんなまねをするような自分じゃない」とトランプ氏は強調した。「そんなことはできない。この国を愛しているから。この国の人たちを愛しているから、そんなことはできない」と。 要するに、あとは見てのお楽しみというわけだ。</p>