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飽きもせずに二人で二千花の寝顔を眺めていると、イワシを台所に下げた路子がやってきて、 「そうだ、栄ちゃん、おじさんたちにミカン持ってってよ。甘いミカンをいっぱい頂いたのよ」 と、また台所に戻っていく。 栄吉は名残惜しそうに二千花の〓を指先で撫(な)でると、 「またね」 と声をかけて台…