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一人きりの食卓につく。向かいの空席はばあさんの聖域だ。特養で撮ってもらった遺影が、微笑して私を見ている。 難病で入院したとき「おとうさんは私が守る」といって炎天下の田の畦(あぜ)をはいずり、鎌で草を刈ってくれたばあさん! 握力が衰えて炊事が不安になり、主人がおぼつかない手つきで初め…