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新原に家の畑を持っていたことがあって、母は後においしい芋が採れたと言って懐かしんだ。父は新原の坂を自転車で上り、その先の峠を越えて隣町の事務所に勤めていた。僕は家の横に立ち、遥(はる)か遠くの新原にある煙突から時々立ち上る煙を眺めていた。65年以上前のことだ。 平成29年に登録される…