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ETCにはお得がいっぱい!! ドライブ旅に使い倒さにゃ損!! 高速道路でポイ活しよう

 利用率90%超と、高速道路を利用するうえで当たり前の存在となりつつあるETC。決められた時間にETCレーンを通過するだけで適用される深夜割引や休日割引は知っている人も多いだろう。しかし、実はETCには登録制でポイントが貯まるマイレージサービスや、マイレージサービスに登録した人だけが受けられる平日朝夕割引などなど、まだまだお得なサービスがあることをご存じだろうか。首都高や阪神高速など都市部では適用されないのが残念だが、高速道路の使い方次第では交通費を節約することができる。

 今回は、意外と知られていないマイレージサービスと、平日朝夕割引について紹介する。普段から通勤やドライブで高速道路を利用しているドライバーはもちろんだが、帰省や旅行で高速道路を利用するような予定がある人にも参考にしていただきたい。

文/入江 凱、写真/写真AC

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登録・年会費は無料! ETCマイレージサービスって何?

 ETCマイレージサービスとは、全国の道路事業者が行っている事前に登録したETCカードを利用した際の通行料金に応じてポイントが貯まるサービス。一定のポイントまで貯めることで高速道路や有料道路の支払いに充てられる「還元額」というものに交換することができる。

 ポイントを還元額に交換すると、次にETCを利用した際に自動で還元額分が支払いに充てられる。還元額という名前が聞き慣れないという人も多いかもしれないが、還元額とは無料通行分のことで、要は500円分の還元額を使用すれば500円分が無料になるということだ。巷のポイントカードなどと同じしくみだ。

 登録・年会費は無料となっているので、あまり高速道路や有料道路を利用する機会がないというドライバーでも登録しておいて損はないだろう。家族旅行やドライブで走っているうちに気づいたらポイントが貯まっていた、なんてこともあるかもしれない。

ポイントと還元額ってどのぐらい貯まる?

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アクアラインでETCマイレージサービスを利用した場合、アクアライン割引で走行料金は800円、さらに80ポイントが貯まることになる

 一般的なポイントカードであれば「100円につき1ポイント、1ポイント=1円として扱う」というシンプルな形式が多い。しかし、ETCマイレージサービスでは道路事業者ごとにポイントが付与される金額や換金額の交換レートが異なっているため、少々わかりづらくなっている。まずは通行料金に応じて貯まるポイントが以下の通りだ。

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通行料金に応じて付与されるポイント。事業者によってポイントの付き方が違い、別の事業者のポイントを合算することはできない

 +αの道路事業者は月の利用額が一定以上の場合、さらに加算ポイントが用意されている。愛知県道路公社の場合は、通常は100円につき1ポイント加算だが、月間利用額が5000円を超え、1万円までの場合には、100円につき4ポイント加算される。

 さらにポイントと交換できる還元額も以下のように事業者によって異なる。一律に「1ポイント=1円」ではないので間違えないようにしたい。

ポイントは一定まで貯まらないと還元額に交換することはできない。その代わり還元額はポイントと違い事業者に関わらず対象である道路なら使用することができる

ポイントは有効期限切れに注意! 

 NEXCOなどの還元額の交換レートを見ると1000ポイント=500円分、3000ポイント=2500円分となっており、大量にポイントを貯めてから還元額に交換したほうがお得と言える。

 少しずつでもじっくりとポイントを貯めてから還元額に交換したいところだが、残念ながらそれはできない。ポイントは走行の翌月20日に付与されるが、ポイントには還元額に交換できる有効期限が設定されているからだ。有効期限はポイントが付与された年度の翌年度末となっており、この期間内に還元額に交換しなかったポイントは失効してしまうので注意しよう。有効期限が少しややこしいので、例を挙げるが、ネットなどで確認しよう。

ex.
2022年3月20日に付与されたポイント
→有効期限は2023年3月末 

2022年4月20日に付与されたポイント
2023年3月20日に付与されたポイント
→ともに有効期限は2024年3月末

2023年4月20日に付与されたポイント
→有効期限は2025年3月末

 ポイントの還元額への交換はインターネットや電話で行うことができるが、交換忘れを防ぐために、一定のポイントが貯まると自動で還元額に交換してくれるサービスもある。

 ただし、このサービスも事業者ごとに異なるうえ、かなりたくさんのポイントが貯まらないと自動で交換するサービスの対象とならないことが多い。 そのため、有効期限が近く、さらに自動交換されるほどポイントが貯まりそうにない場合は、手動で交換するようにしよう。

 また、ポイントから交換した還元額には有効期限はないが、ポイントや還元額が2年間(730日間)増減がない(使用していない)場合はマイレージ登録自体が取り消しとなり、同時に還元額も消失する。

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 上記の表は、ポイントが一定額まで貯まると自動で還元額に交換してくれるサービスの事業者ごとの一覧。通行料金10円につき1ポイントが付与されるNEXCOの例で見てみると単純計算で合計50000円分の走行をしないと自動交換の対象である5000ポイントには達しない。有効期限が近づいてもポイントが十分に貯まらないようなら手動で還元額に交換しよう。

ETCマイレージサービスに登録する方法

 ETCマイレージサービスにはインターネット、または郵送の2通りの方法で登録することができる。インターネットから登録するとその日からポイントが付与されるが、郵送の場合は手続き完了までに数日かかるので前もって準備をしておこう。登録には以下の情報が必要となる。

名前/生年月日/郵便番号/住所/電話番号/メールアドレス/ETCカード番号と有効期限/車両番号(ナンバープレートの4桁)/車載器管理番号(ETC車載器の19桁)

■インターネットでの登録
ETCマイレージサービスの公式HPより新規登録が可能
■郵送での登録
高速道路の料金所事務室、SAやPAで手に入る専用の用紙に記入してETCマイレージサービス事務局宛に郵送する

事前に確認しておきたいマイレージサービスの注意点

 実際にマイレージサービスを利用するにあたって抱きやすい疑問点や、知らないと損をしてしまう可能性の高い注意点を以下にまとめた。後で「知らなった!」とならないように確認しておこう。

■首都高など対象外の道路がある
 首都高や阪神高速などそもそもマイレージサービスに参加していない、またはすでにサービスを終了している道路事業者もおり、こうした道路ではいくら走ってもポイントは付与されず、還元額も利用できない。また、還元額を利用することはできるが、ポイントは付与されないという道路もある。

走行してもポイントは付与されないが還元額を使用することはできる道路運営事業者の一覧

■登録したカードを他のクルマで使用した場合でもポイントが付く
 一度登録が済めば他のクルマで同じETCカードを使用した際もポイントは付与される。

■ETCカードの登録はETC車載器1台につき1
 車載器1台につきマイレージサービスに登録できるETCカードは1枚が原則となっている。そのため車載器付きで譲り受けたり、中古で購入したクルマの前の持ち主がすでに登録済みの場合、そのままでは新規登録ができずETCマイレージ事務局へ問い合わせをする必要がある。ただし、同居の家族で1台のクルマを共用で使っていたり、同一事業所の法人ETCカードの場合は4枚まで登録することができる。

■複数枚のETCカードでポイント・還元額の合算はできない
 スマホの料金の割引サービスのように、ポイントや還元額を家族や友人同士で合算することはできない。

■例外を除き、ポイントは道路事業者ごとに貯まるので合算不可。還元額は事業者問わず利用可能
 ポイントは道路事業者ごとに貯まるので、いくつかの事業者のポイントを合算して還元額に交換することはできない。ただし、例外としてNEXCO東/中/西日本と宮城県道路公社のポイントは合算される。

 一方で還元額は、どこの道路事業者から発行されたかにか関わらずマイレージサービス対象の道路でさえあれば、どこでも利用できる。

■還元額での支払い分はポイント付与されない
 ポイントを還元額に交換した後は自動で次の利用時に支払いに充てられる。その時に使用された還元額分はポイント付与の対象にならず、値引き後の請求分が対象となる。

ETCマイレージサービスに登録しないと適用されない平日朝夕割引!

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平日朝6時~9時、夕方17時~20時の間で対象のインターチェンジを出入りすると対象の走行としてカウントされる

 深夜割や休日割と異なり、ETCマイレージサービスに登録しないと適用されないのが平日朝夕割引だ。対象となる道路のETC入口、または出口のどちらかを平日の朝の6時~9時、または夕方の17時~20時の間に通過することで割引対象の走行としてカウントされる。

 この割引は毎月の対象となる走行回数によって還元率が変わり、対象となる走行が5~9回/月の場合は約30%、10回以上/月の場合は約50%が還元額として翌月の20日に付与され、無料走行分として使用できる(NEXCO東/中/西日本、及び宮城県道路公社の場合)。ただし、以下のような注意点もある。

1.還元率が適用されるのは最大100㎞相当分までという制限が付いているので、長距離を走るほど実際の 還元率は小さくなる。
2.朝と夕方、それぞれの時間帯でカウントされるのは最初の1回のみ。例えば、夕方の17時~20時の間で対象となる区間を往復してもカウントされるのは往路のみ(一部例外を除く)。

 主に通勤などで高速道路を頻繁に利用する人に向けた割引だが、一般のドライバーであってもGWやお盆休み、年末年始など休日割引が対象外となる長期休暇の期間にも平日朝夕割は適用されるので、うまく利用すれば翌月以降にお得に高速道路を利用することができる。

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