キユーソー流通システムのグループ会社であるキユーソーティスはこのほど、北海道でLNG(液化天然ガス)を燃料とする、いすゞ自動車製大型トラックの公道走行試験を開始したと発表した。
同試験は三菱商事とエア・ウォーターが環境省事業として進めている実証事業の一環として行なわれるもので、協力運送事業者12社が合計14台の大型LNGトラックを公道で走らせる大規模な内容となっており注目だ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/三菱商事、キユーソー流通システム、トラックマガジン「フルロード」編集部
環境省事業にも採択されている大型LNGトラック公道走行試験とは?
今回キユーソーティスが参加する大型LNGトラックの公道走行試験は、大型LNGトラックの普及を目指し、三菱商事とエア・ウォーターが共同実施する実証事業の一環として行なわれる。
両社は2020年10月に大型LNGトラック向け小型LNG充填設備を共同開発。同設備の商品化に向けて、北海道で同設備と大型LNGトラックを用いた試験を行なうための準備を進めていた。
同設備は、大型トラック1台分の駐車スペース(12.0m×3.3m)に設置できる国内初の可搬型で、1日50〜60台の大型LNGトラックに充填可能。充填時間はわずか10分程度で、世界初の自家発電機能も搭載。停電時も充填できる点などが特徴だ。
なお同試験は「小規模分散型LNG充填所ネットワーク構築による大型トラック物流の低炭素化手法の実証事業」として、環境省の委託事業「令和3年度 CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に採択されたことが2021年5月に発表されている。
試験はいすゞ自動車製大型LNGトラック1台とイタリア製大型LNGトラック2台で行う予定だったが、最終的にいすゞ自動車製大型LNGトラックのみで行なう形に変更されている。
協力運送事業者12社が大型LNGトラック14台を運行!!
今回の試験は、北海道の石狩と苫小牧の2地点にLNGの充填所を設置し、大型LNGトラックの公道走行試験を行ない、CO2排出量や燃費性能等のデータを計測するもの。
また、LBM(液化バイオメタン)を配合することにより、従来の軽油燃料に比べて大幅なCO2排出削減を目指す。参加する協力運送事業者は12社で、運行する大型LNGトラックの台数は14台にのぼる。
実証事業全体の期間は2022年4月から2023年2月末までで、公道走行試験は2022年7月4日から2月末にかけて行なわれる。
使用する大型LNGトラックは全車「いすゞギガLNG」で、いすゞ自動車が各運送事業者に貸与する。キユーソーティスでは1台を札幌営業所に配備し、食品等を運ぶ通常業務に使用。充填所は石狩を利用するという。
大型LNGトラックは、電気自動車や燃料電池車では達成が難しい1000km以上の長距離走行が可能で、従来のディーゼル車に比べ10%以上のCO2排出量削減も期待でき、試験結果に注目だ。
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