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<p>ウクライナ外国人戦闘員の処遇に懸念 露側、捕虜と扱わず厳罰方針</p><p>ウクライナ側に参戦し、露軍側に拘束される外国人戦闘員が相次いでいる ウクライナや欧米諸国は外国人戦闘員が正規兵であり戦時国際法のジュネーブ条約上の捕虜として保護されるべきだと露側に要求する一方、ロシアは同条約で保護義務のない「雇い兵」と主張、厳罰を科す方針</p><p>ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ側に参戦し、露軍側に拘束される外国人戦闘員が相次いでいる。ウクライナや欧米諸国は外国人戦闘員が正規兵であり、戦時国際法…</p><p>ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ側に参戦し、露軍側に拘束される外国人戦闘員が相次いでいる。ウクライナや欧米諸国は外国人戦闘員が正規兵であり、戦時国際法のジュネーブ条約上の捕虜として保護されるべきだと露側に要求する一方、ロシアは同条約で保護義務のない「雇い兵」と主張し、厳罰を科す方針。拘束された外国人戦闘員の取り扱いに懸念が強まっている。 侵攻を受け、ウクライナのゼレンスキー大統領が結成を呼びかけた外国人戦闘員の部隊には世界各国から2万人以上が志願した。露国防省は今月17日、侵攻後にウクライナに到着した外国人の「雇い兵」は約7千人で、うち約2千人が戦死し、約1800人が部隊から離脱したと発表した。発表内容の信憑(しんぴょう)性は不明だが、日本人1人も現地に滞在しているとした。 一部の外国人戦闘員は露軍や親露派武装勢力の部隊に拘束され、訴追されている。ウクライナ東部の親露派武装勢力「ドネツク人民共和国」(自称)の裁判所は9日、拘束した英国人とモロッコ人の戦闘員3人について、独自に設けた刑法で禁じる雇い兵として戦闘に参加したと認定し、死刑を宣告した。 さらに、ペスコフ露大統領報道官は21日、6月中旬に拘束が判明し、「ドネツク人民共和国」に連行された米国人の戦闘員2人について「露軍や親露派兵士の生命を危険にさらした雇い兵だ。ジュネーブ条約は適用されない」とし、裁判で死刑判決が下される可能性もあると述べた。 露側は、外国人戦闘員を捕虜として扱わない姿勢を示すことで、ウクライナ軍から外国人戦闘員の離脱を促す思惑だとみられる。死刑宣告された戦闘員を、各国との交渉カードとして利用する可能性もある。 一方、ウクライナ国防省は外国人戦闘員について「わが国が身分を保証した正規兵であり、捕虜に当たるのは明白だ」と強調。戦闘行為に参加したことを理由に正規兵を訴追するのはジュネーブ条約に違反すると非難している。 ジュネーブ条約追加議定書第47条は、雇い兵の要件について、紛争地域外の居住者が私的な利益獲得を主な動機として、紛争当事国の軍隊に所属せず、実際の戦闘に参加することだと規定している。ウクライナ国防省によると、外国人戦闘員への報酬は高額でなく、所属を証明する文書も配布していたという。 特集・連載:</p>