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 筑豊電気鉄道で45年にわたり活躍してきた2000形車両が2022年11月7日(月)をもって引退する。筑豊電気鉄道は西日本鉄道が運行する福岡市内・北九州市内の路面電車として活躍していた車両を改造し、1977年7月5日より2000形として運行してきた。

 2000形は約45年の長きにわたり筑豊電気鉄道線を走り続けてきたが、車両老朽化のため役目を終え、歴史に幕を閉じる。2000形の運行終了をもって、かつて西日本鉄道で路面電車として運行を行っていた車両はすべて引退する。

 鉄道ファンならずとも、地元民に愛された2000形の歴史を振り返るとともに、2000形車両運行終了にともない実施される引退ツアーの詳細を見てみよう。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)


運転体験ができるツアーを開催!

 当車両を貸し切り、運転体験や写真撮影、ペーパークラフト製作ができるツアーのほか、甘木鉄道や平成筑豊鉄道の車両乗車や車庫見学も一度に楽しめるツアーもある。

 また、11 月5 日(土)・6 日(日)には、フィナーレイベントとして出発式や鉄道部品販売会などを実施する。さらに引退ツアー参加者限定の記念品として「2000 形オリジナルnimoca」や「2000 形オリジナルパスケース」を申込先着順500名にプレゼントする。

福岡市内線

 ツアーの催行期間は2022 年7 月10 日(日)から11 月6 日(日)までのうち、計19 行程(20 日間)で、コースは4種類あり発着地も黒崎駅前現地集合の他に、西鉄天神高速バスターミナルや小倉・砂津発着もあるので、日程とツアー代金を確認の上で申し込むと良い。主催は西鉄旅行で同社のホームページから申し込みできる。

筑豊電鉄ってどこの鉄道?

 筑豊電鉄は黒崎駅前から筑豊直方までを結ぶ16kmの鉄道線で、西鉄グループである。西鉄北九州線と相互乗り入れを行っていた関係から、全線が複線専用軌道ながらも路面電車タイプの車両を使用しており、福岡市内線や北九州線の車両が導入されていた。

 「筑豊」という名称が付いているが、筑豊地方とされる直方市は全21駅中3駅しかない。4駅が中間市で、残りはすべて北九州市八幡西区である。

 筑豊直方駅は立派な高架駅で線路が切れているが、これは開業当初は直方から飯塚を経て福岡市内まで延伸する計画があったためだ。現在のJR筑豊本線と篠栗線に対抗する電車を走らせようとしていた。

バスとの関係は?

 前述した通り、筑豊電鉄は西鉄北九州線と相互乗り入れを行っていたので、3両連接車が黒崎駅前電停から併用軌道に出てくる姿が見られ、筑豊直方から(小倉)砂津まで直通運転をしていた。

 西鉄北九州線が廃止されても黒崎駅前から専用軌道は筑豊電鉄が使用していたが、この電停上に商業施設ができて(その後、八幡西区役所が入る)1階部分を西鉄黒崎バスセンターとして供用するようになると、筑豊電鉄のホームと一体運用となり、バスと筑豊電鉄との乗り換えがスムーズになった。

 北九州空港行きのバスや小倉砂津行きの特快バスはホーム目の前から発車するので便利だ。

2000形の現在の姿

 西鉄北九州線の晩年には、バスか電車の定期券を持っていると重複区間は自動的に共通定期になるサービスがあり、筑豊電鉄から北九州線への定期券保有者は黒崎からバスにも乗れたので便利だった。

 また西鉄が福岡-北九州間の高速バスの派生路線として開設した「なかま号」は、筑豊電鉄の通谷電停に停車していたため、筑豊電鉄と高速バスとの連絡乗車券も発売されて沿線から天神まで乗り換え1回が実現していた。

 この「なかま号」は香月営業所の担当で乗客は乗っていたのだが、おそらく運転士不足の理由により真っ先に廃止されてしまった。

 そんな周辺状況や時代に左右されてきた筑豊電鉄だが、現在ではLRT型の車両を導入しており快適性は向上している。画像ギャラリーに現在の筑豊電鉄の画像を収録したのでご覧いただきたい。全線乗車しても30分程度なので往復してみてはいかがだろうか。

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