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 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDクラスでポルシェ911 GT3 Rを走らせているライト・モータースポーツは、7月1~3日にカナディアンタイヤ・モータースポーツ・パークで開催される『シボレー・グランプリ』を欠場するチームのひとつとなった。

 アメリカ・オハイオ州に本拠を置くこのチームは、カナダのワクチン政策により、2022年シーズン第8戦として行われるアメリカ国外ラウンドにおいて、16号車ポルシェのエントリーを見送ることを発表している。

 GTDクラスでポルシェ911 GT3 Rをドライブしているライアン・ハードウィックをはじめとするチームの主要メンバーが新型コロナウイルスのワクチンを接種していないため、国境を超えることができないことがその理由だ。

 カナダの現行規則では、入国するすべての人は政府が認めたCOVID-19ワクチンを少なくとも2回接種していること、もしくは2種類のワクチンの混合接種、またはジョンソン・エンド・ジョンソン製のワクチンを少なくとも1回接種していることを証明することが義務づけられている。

 カナディアンタイヤ・モータースポーツ・パーク(CTMP/通称モスポート)で3年ぶりに開催されるイベントは、COVID-19のパンデミック発生後、IMSAにとって初めての国外開催レースとなる。

ライト・モータースポーツは2022年開幕戦デイトナ24時間でGTDクラスウイナーとなり、第4戦ラグナ・セカでも優勝している
ライト・モータースポーツは2022年開幕戦デイトナ24時間でGTDクラスウイナーとなり、第4戦ラグナ・セカでも優勝している

「僕を含むチームメンバーの何人かはワクチン未接種なので現在、COVID-19ワクチン政策をとっているカナダに行くことができない」とハードウィックは述べた。

「シーズン当初、私はカナダが私たちのレース前にワクチンの要件を下げてくれると期待していただが、残念ながらそれは叶わなかった」

「このイベントに出場できないことに失望しているが、僕自身とチームメイトの健康上の決定を支持している」

 LMP2を除く4クラスが参加参加する第8戦モスポートは、プロ・アマカテゴリーであるGTDクラスにおける“ウェザーテック・スプリントカップ”の対象ラウンドだ。ライト・モータースポーツのハードウィックとチームメイトのジャン・ヘイレンは、デトロイトでの最新ラウンドを終えた段階で同カップのランキング4番手につけている。

 CTMPの暫定エントリーリストには、ライト・モータースポーツを含めて27台が登録されており、これ以上の撤退が確認されなければ最大で26台のエントリーがあることになる。

 なお、同ラウンドを欠場する32号車メルセデスAMG GT3を走らせるチーム・コルトフ・モータースポーツと、インセプション・レーシングの70号車マクラーレン720S GT3はこの暫定リストには含まれていない。

 インセプションのチームマネージャーであるバス・ラインダースはSportscar365に対し、「イギリスを拠点とするチームのクルー全員が、アメリカの外国人入国要件に従ってワクチン接種を受けているため、欠場はCOVID-19とは関係がない」と語った。

■プロカテゴリーは全チームが参加予定

 DPiとGTDプロの各6チームはCTMPのエントリーにリストアップされており、全チームが同ラウンドに参加する予定だ。

 前戦ザ・グレンでLMP3クラスでの優勝を飾ったライリー・モータースポーツは、フェリペ・フラガがCTMPと日程が重なるDTMドイツ・ツーリングカー選手権第4戦ノリスリンクに向かうため、74号車リジェJS P320・ニッサンのドライバーにスコット・アンドリュースを代役として起用する方針を固めた。

 同じくLMP3クラスを戦うコア・オートスポーツは当初、チームメンバーの数名がワクチンを接種していないため、CTMPでのイベントをスキップすることを検討していた。しかし、代わりのクルーを招聘し同ラウンドに参加することが理解されている。54号車リジェJS P320のドライバーは、引き続きコリン・ブラウンとジョン・ベネットが務める。

 ウェザーテック・スポーツカー選手権のサポートレースであるミシュラン・パイロット・チャレンジと、IMSAプロトタイプ・チャレンジのエントリーリストも発表され、このふたつのシリーズでも複数のチームがカナダでのイベントを欠場することが予想されている。

 一方、パイロット・チャレンジのレースには、ライト・モータースポーツが運営するVOLTレーシングのアストンマーティン・バンテージGT4が出場予定だ。

ライリー・モータースポーツの74号車リジェJS P320・ニッサン
ライリー・モータースポーツの74号車リジェJS P320・ニッサン