MediaTekとIntelは、MediaTekのプロセッサの一部がIntel Foundry Services(IFS)によって製造されることを発表しました。現在、この取り決めは「スマートエッジデバイス」向けチップを対象としています。これには、Wi-Fi、4G、5Gといったワイヤレスネットワークに接続する全てのデバイスが含まれる可能性があるので、非常に漠然とした説明です。
IFSは現在22nmプロセスの製造工場を運用しており、例えばMediaTekのWi-Fiチップセットの製造ラインにサービスを提供することが出来ます。ただ、Intelが取り組む製品を評価するのに十分なデータはありません。
MediaTekは過去2年間で大きく躍進しており、四半期ごとに記録を更新しているので、2021年に設立されたIFSにとっても大きな実績となります。MediaTekは、スマートデバイスビジネスで大きな市場シェアを持つ、非常に競争力のあるプラットフォームを立ち上げています。
Intelは、自社の製造拠点をアメリカやヨーロッパに拡大・開設することが期待されていることから、MediaTekの視点で見ると、今回のパートナーシップは多様化に向けた動きとなります。このような多様化が、パンデミック以降に見られたサプライチェーンの停滞や、台湾に関連する地政学的問題などからMediaTekを守ってくれるでしょう。
当然のことながら、現在MediaTekは台湾のTSMCと契約して、ほとんどのチップを製造しています。TSMCは優れた製造業務を行っていますが、非常に巨大なため、何らかの災害が発生した場合には、ロジスティック問題に関わるチョークポイントとなる可能性があります。地政学的な観点はさておき、台湾は台風、干ばつ、地震にもさらされています。
半導体業界が現在のサプライチェーンの問題を克服するには、おそらく何年もかかるでしょう。ただし、経済が2020年以前のように戻ることがなくとも、多様化戦略によって現在よりも遥かに回復力が高くなるはずです。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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